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ある日突然神様になっちゃいました!  作者: 仲新屋ひとし
第1話 「俺が神様ってどういうこと?? -職業”神”ってどんなプレイ?-」
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06 冒険者ギルド

「ちょっと慣れてきたから、次は外に出る準備をしなきゃな。」

とゴウは話すと、最初に合流したところにある建物の中へと入っていった。ここは冒険者ギルドという看板が扉の横に書いてあったので、ここでいろいろ調えるんだろう。


ゴウの説明によると、このCreate World Onlineでは冒険者ギルドで職業を決め、装備を調えなければ戦闘などができないとのこと。また、ここで依頼を受けてたり、モンスターを倒した報酬を得ることもできるらしい。


へぇ~と感心して聞いていたら、頭をはたかれた。こういったことは公式サイトや説明書に書いてあることで、事前に読んできてないのかと怒られてしまった。

俺は、どうせこんな感じでゴウが調べてるんだろうし行ってなんとかなるかなと思っていたので、ちょっとネットを見たぐらいで、考えたらどうやって戦闘するのかも知らなかった。

格闘家みたいな職業を選んだらガチで殴り合いとかするのかなぁ、それは嫌だな~


「ゴウ、職業は何を選んだらいい?ケンカとかしたことないから殴り合うとか嫌なんだけど」

「いや、職業は2つしかないよ。戦士と魔法使いの。後々アップデートで増えるという噂もあるけど今はこれしか選べないってさ。」


普通のMMOはいろんな職業があるみたい。そういえば職業についてもネットで叩かれていたなぁ。

ゴウと話し合った結果ゴウは戦士を、俺は魔法使いを選ぶことにした。


この冒険者ギルドは、入り口から見て左側にテーブルや椅子、カウンターなどがあり、フードコーナーみたいになっていた。そして正面には受け付けにあたるんだろう、カウンターと、数名の職員らしき人たちがいて、訪れてくる人の対応をしていた。

俺たちも人が少ない列を選び、並んで待つことにした。


しばらくして自分たちの番が来た。応対した人は20代ぐらいにみえる若い女性で、綺麗ではあったが、無表情のまま冷たい感じがする口調で話しかけてきた。

「はじまりの街の冒険者ギルドへようこそ。ここでは冒険者証の発行を行っています。冒険者証の発行を希望なさいますか?」

「はい、お願いします。」

「冒険者証の発行を承りました。ではこの番号札を持って、奥の窓口5番へお進み下さい。」


こちらをじっとみつめながら女性は話した後、かまぼこ板ぐらいの大きさの木の札を渡した。そして女性はそのまま特に何をするのでもなく、いい姿勢のままずっとこちらを見ているだけだった。


受け取った札には5番と書かれてあったので、それを持って5番と書かれた表示の下にいる40代ぐらいの男性が座っているところに行き、木の札を渡した。すると机の上にある水晶玉に手を置くよう言われたので手をかざすと、水晶玉の中にいろんな文字が浮かんできた。

しばらくすると「ポーン」という音とともに、カタッと音がした。男性が机の下から鈍い銀色をしたカードを取り出し渡してくれた。


カードには俺のキャラネームである「トウヤ」とか、Lv、HP、MP、討伐数:0などの表示が見えた。

男性の説明によると、これに各種データが記録され、討伐証明などに使われるとのことだった。(この男性も、受付の女性と同じようにいい姿勢のまま淡々と説明をしている感じだった)


カードを受け取った時、視界の周囲にあるステータス画面のうち、左側にある枠にカードが小っちゃく表示された。これでこの冒険者カードが所持されたということのようだ。

カードを収納したいときはカードを2回、ダブルクリックのように叩くと収めることができた。再び外に出したいときは、どうしたらいいか隣で待っていたゴウに聞くと、ステータス画面のそのアイコンに指先を持っていって、「出ろ」と念じると取り出すことができるらしい。


言われたとおりやってみると、先ほど収納されたカードが目の前に出てきたので慌ててキャッチした。

「うぉ、本当に出てきた! めっちゃファンタジー!!」

隣で見ていたゴウもいきなり消えて、出てきた様子を見て興奮していた。

俺も、この非現実的な(ゲームの世界にいるから当たり前かもしれないが)現象を見て興奮を抑えきれなかった。これぞバーチャルリアリティーだって、また一つ感動が増えた瞬間だった。


このアイテムを収納するのは限られたものだけらしい。ゴウを収納できると面白いなと思い、ゴウの肩をダブルクリックしたが、収納できなかった。

「アホかトウヤ。これで生きている人間とかを入れることができたら大変だろうが。」

確かに、際限なくできるようになったら大変だろうな~

でも、荷物を持たないで良いのってとても便利だな。現実世界でも使えると面白いのにとかやくたいもないことを考えながら、ゴウの手続を待っていた。


手続が終わった後、男性の指示に従って入り口近くにある通路から隣の建物へ移動した。そこにあるカウンターで冒険者証を見せたら、布と棒みたいなものを渡された。これが魔法使いの装備のようだ。服はワンピースみたいな、着たら全身を覆うような服で、杖は長さ1mほどの棒で、一部穴が空いていた。

ゴウの方は剣と鎧を受け取っていた。剣はショートソードと呼ばれる、長さ80cmぐらいの両刃の剣だった。鎧は濃い茶色をした、革っぽい素材でできていた。初期の装備だから、覆う部分も少なく、剣道の胴みたいだった。


俺が受け取った服と棒をダブルクリックすると左側にアイコンとして表示された。表示名は「魔法使いのローブ」と「魔法使いの杖」。

なんのひねりもないなぁ。まあ、分かりやすくて良いけど。




多くの人が出入りしているので、建物の外に出て装備をしてみた。装備は直接着るんじゃなくて、ステータス画面に表示されている服のアイコンを、左上の装備欄に持っていくことでできるようだ。アイコンをクリックし、選択された状態のまま左上に持っていって離すと、自分の周りが淡い色のエフェクトが光り、服の上からローブを装備することができた。装備することで多少防御力が上がった。


続いて杖も装備して手に持つが、ゴウによるとこのままでは魔法を使うことができないので魔法屋で宝石を選び、杖に空いている穴に宝石を埋めて初めて魔法が使えるようになるとのことだった


次に冒険者ギルドから少し離れた「魔法屋」と書かれた看板の店に入って、宝石を選ぶことにした。中には店員が一人いて、冒険者ギルドの受け付けの女性と同じに見えた。よく見たら顔の造形や身長は違っていたが、冷たい印象が似ていてちょっと不気味に感じた。


使える魔法は火・水・風・土の全部で4種類。どれも面白そうだったが、ここはゴウの勧めで火の魔法を選ぶことにした。火の魔法は赤い宝石で、買ったらお金がほとんど無くなってしまった。


ちなみにこの世界の通貨はコインで、1コインがだいたい500円ぐらいの感覚とのこと。この町で宿に泊まるなら10コインが必要というからだいたい5000円ぐらいか。安めのビジネスホテルぐらいかな。


そう、なぜ宿屋があるかというと、宿屋で休むことで体力とかの回復もあるんだけど、ログアウトに関わるから、宿屋には必ず泊まることになる。

一応宿屋以外でもログアウトはできるけど、その場合しばらくはキャラクターが消えずに残ってしまう。その間に攻撃とかされるので、ログアウトは必ず宿屋でと説明書に書いてあった。(ということをゴウから聞いた)


ということは、最低でも宿屋代だけでも稼いでこないといけないということだな。

俺は宝石を買わないと攻撃手段がないのでしょうがないとして、ゴウは初期装備でも十分戦えるということだったので、ゴウは近くの店でポーションとかを買っていた。

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