03 世界初フルダイブ型VR機「ノワイエール」とフルダイブ対応VRMMORPGゲーム「Create World Online」
説明回です。細かい設定とか苦手な方は読み飛ばして下さって結構です。
TVゲームが誕生してから一世紀近く。数多くのTVゲームが誕生したが、それらはTV画面の中という限られた空間の中でのみ見ることができるものであった。
しかし、技術の向上・ゲームに対する情熱は2Dから3D、そしてVRへと進化していった。
VR技術は当初、ゴーグルタイプで視覚を疑似体験させるものやグローブを着けて触覚を疑似体験させるものなどであった。
しかし昨年、フルダイブ型VR機「ノワイエール」の登場によってVR業界は大きく変わることになった。
ノワイエールはそれまであったゴーグルタイプなどと違い、直接脳波を検出しさらに脳に直接働きかけることにより、まるで本当の別世界に入り込んだかのような体感を装着者に与えることができる。
ノワイエール自体はフェイスマスク(銀行強盗がかぶっている目出し帽のようなもの)のようなものとヘルメットのような機材でできている。フェイスマスクには脳波を検出するセンサーが取り付けられており、その信号を受けてヘルメット部分が情報を処理して繋いでいるパソコン等に送るという仕組みになっている。
ただし、そのままであれば脳波の検出は可能だが、情報を脳に送ることができない。そこで、ノワイエールの開発陣は「睡眠」に着目した。ある研究によると、睡眠状態にある脳へ外部から疑似脳波を照射すると、脳はその情報が実際のように感じられるという。開発陣はこの研究をさらに進めた結果、視覚等感覚器以外を使って脳と直接やり取りすることによるVRの体験を実現させることができることになった。
また、安定したフルダイブ環境を行うためには睡眠状態になることが必要である。これには同時開発された薬が用いられた。
この薬の開発も困難が伴ったが、開発の成功によりフルダイブ中に目が覚めてしまうということもなくなり、安全な睡眠状態が確保することができた。
しかし、この薬は睡眠状態に脳を誘うが、脳は活性化しているため起きている状態と変わらない。そのため、普通の睡眠もしないといけないこともあり、睡眠薬は4時間程度の効果で発売されることとなった。(連続ダイブによる悪影響を避ける目的もあった)
この革新的なVR機の登場は世間の注目を浴びた。ノワイエールの使い方によっては医療や介護だけでなく、軍事など多くの分野で活躍が期待され、また世界情勢も大きく変える可能性を秘めていた。
しかし、ノワイエールを開発した会社は争いの元となることを嫌い、機器の発表と同時にゲーム機のみとして販売するというアナウンスを行った。これには議論が巻き起こったが、元がゲーム開発を行っていたということと開発責任者の強い意向もあり、そのままゲーム専用機として発売されることになった。
この裏側には、軍事を始め国家間のパワーバランスを狂わすおそれを懸念して多くの諜報機関が暗躍していたとの噂もある。
この革新的VR機ノワイエールの登場は、ゲーム業界を大いに沸かせた。これまでも体感型のゲームソフトや機械はあったが、直接脳とやり取りすることで本物と同じような体感を得ることができるというゲームは無かった。開発者たちは既存のVRゲームとどう違うのか、またそれを動かすハードはどのようにしたらいいのかなど開発は困難を極めた。しかし、ノワイエールは軍事利用も可能になるかもしれない機械のため、結果開発会社に貸し出された機体もごく少数にとどまりその管理も厳重に行っていた。
また、ノワイエールの性能を活かすことのできる環境、それを開発することができる力のある会社というのも限られていた。最終的に、日本はノワイエールを開発した会社があり、ゲーム先進国ということもあって、最初のノワイエールを使ったゲームは日本のゲーム会社から発売されることとなった。
世界の注目を集める機体ということで、各社格闘ゲームやフライトシミュレーションなど多くのタイトルで開発に名乗りを上げたが、最終的にノワイエールを使った世界初のゲームとして発表されたのは2社、両方ともMMORPGであった。
1社のタイトルは初期の家庭用ゲーム機から連綿と続くモンスタータイトルで、前評判も良く、ゲーム愛好家の期待も高かった。しかし慎重を期する余り発売延期を繰り返した。(それでも長く指示されたタイトルということもあり、期待は薄まらなかったようだ)
もう1社のは「Create World Online」というタイトルで、小さなベンチャー企業によるものであった。そのため、当初は今ひとつの評判であったが、モンスタータイトルの方が発売延期をする中、Create World Onlineは予定通り発売されることになったため、ノワイエールを使った世界初のVR体感ゲームとして徐々に世間の注目を集めることとなる。
このベンチャー企業は実は、ノワイエールの開発陣と親交があり、その縁でゲーム開発を始めた。それまで出していたVR作品がぱっとしていなかったこともあり、このCreate World Onlineに社運をかけていた。
そのため、どうしてもライバルソフトに先んじて発売したいという経営陣の思惑があり、それが開発陣に大きな負担となっていた。
開発責任者を始めとした優秀なエンジニアによって開発は進められていたが、結局無茶な締め切りと初めてづくしの中での開発であったため、見切り発車的に発売の日を迎えることになった。
こうして、世界初フルダイブ型VRMMORPG「Create World Online」はスタートしたのである。
昨日、予約投稿したつもりが反映されていないことに気づき投稿。。
まだ、システムに慣れないです。
今日の分は夕方投稿予定です。