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ハツコイソウ  作者: 榎田頼
第1章
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unit7

自覚してから、結局何事もなく時間だけが過ぎていった。



離れてしまうのに話せないこと、目の前に迫る受験のこと。


考えることが多くて頭がパンクしそうなことを知ってか知らずか。


「俺がいなくなったら寂しいか」


そんなメールをしてくる夕陽。

そんなの、寂しいに決まってる。


その日の私は疲れていたのもあるのかもしれない。


いつもなら「そんなわけない」って強がりを言うのに


「寂しいよ」


そう素直に返信をしていた。


しまった。そう思った。


バカにしてくるに違いない。



しかし、届いたメールの内容は「そっか。」の一言だった。



それはいったいどういうことなのか。

なぜ聞いたのか。新たに浮かぶ疑問に対して答えは出ない。


考えるもなにも浮かばなくて。

ただ長く一緒にいただけで、夕陽のことはなにもわかってないのかな。そう思って悲しくなる。


夕陽とメールをしたのはそれきりで、そこから卒業式まではお互いに入試など進路活動で忙しかった。



一足早く推薦で内定をもらった私は多くの課題に追われていて、夕陽が遠くへ行くことに対して考える余裕も無かった。


いや、考えたくなくて課題に没頭していただけなのかもしれない。

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