4/27
unit4
ある日、私はバスケ部の友人からとある話を聞いた。
「夕陽、女バスの1年と付き合い始めたじゃん?」
「えっ?」
あの夕陽に…彼女ができた?
とても信じられなかった。
しかし、度々お昼休みに2年生の階で見る1年生。よく見ると夕陽と仲よさそうに話していた。
委員会の仕事が長引いてしまった日。
ちょうどバスケ部の終りと被ったらしく、下校していくところに遭遇した。
あの女の子と夕陽が手を繋いでいた。
ズキッとした。
でもこのとき、この痛みの正体を私は知らなかった。
程なくして、3年生に進級した。
夏の大会を最後に部活生は引退。
受験に向けての準備が始まる。
すると、秋の終わり。
また同じバスケ部の友人に、夕陽が別れたらしいと告げられた。
このとき私は安堵したのだ。
「なんで今ホッとしたの?」
自問自答しても答えは見つからない。
いくら考えても答えにたどり着かず、私は諦めることにした。