甘党ハンバーガー大食いチャレンジ
お題:静寂に包まれたファーストフード店が舞台で『涙』が出てくるバトルする話
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昼食時のハンバーガーショップでは、いつもの賑わいとは打って変わって静かだ。客はいつも通りいるし、誰も食事をしていないわけではない。
客たちは、全員とある一人の客に見入っていた。
「お客さん、やめるなら今のうちですよ?」
「構わない。さあ、始めよう」
客の目の前には、大量のハンバーガーが置かれていた。普通の大きさの、ごく普通のハンバーガーにしか見えないが、実は甘党もびっくりな激甘ハンバーガーなのだ。
ハンバーガー大食いチャレンジとして、時間内に十五個食べきれば賞金が出る大食いチャレンジ。未だに成功者はいない。甘党はおろか、大食い自慢の者ですら、この甘さにひれ伏してきたのだ。
「では参ります。制限時間十分。用意、はじめ!」
店主の手に持ったストップウォッチが動く。同時に、客の手に持ったハンバーガーが口へと運ばれた。しかし、一口食べたところで客はひるむ。それほど甘いのだ。
だが客は食べ続ける。準備していた水で流し込みながら、次々とハンバーガーを口にする。
ハンバーガー十個に対し、制限時間十分というのは長すぎる気もする。しかし、常人では一つ食べきれるかどうかの甘いハンバーガーを食べるには短すぎるほどだ。
甘さの拷問に耐えながら、客は五つ、六つと次々に食べる。しかし、十三個目を食べ終えた頃から、体に変化が現れた。
妙に汗が出るし、気分が悪くなる。食べる手が止まるものの、ストップウォッチの時間は止まらない。
「残り一分」
客の目からは苦痛の涙が流れ、ハンバーガーにかかる。
苦しいハンバーガーとのバトル、客は涙を流しながら残り一つを口にする。
「こ、これは……うまい!」
ウソのように手が動く。そして、残り十秒の所で完食した。
「お、おめでとうございます! まさか完食するとは……」
店主は驚きながら客をたたえる。
「いやぁ、涙の塩味が勝利の決めてです」
なんだか連続でかみ合わない設定が来たのです。一人でバトルだったり一人でラブコメだったり。
今回はなんか静寂さが足りないですね。どうしてこうなった。