急いで掘れ!
お題:一人きりの公園が舞台で『ハンカチ』が出てくる戦う話
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今の時間は誰もいない。男は周りを警戒しながら、公園に入った。
中はベンチとブランコとすべり台、あと花壇とちょっとした遊具があるくらいだ。
男はそっと花壇に近寄ると、小さなショベルを取りだした。そして、花を傷つけないようにゆっくりと土を掘る。
わずかな風で、花が揺れた。
徐々に深くなっていく穴、そしてビニール袋が姿を現した。
周囲を丁寧に手で掻き出し、ビニール袋を取りだす。中には大金が入っていた。
「よし、これで……」
ここからは時間との戦いだ。素早く穴を埋め、カバンに金を詰める。
そして、近くの水道で汚れた手やショベルを洗う。
よし、これで……
男は安心して立ち去った。今日で強盗事件の時効が切れるのだ。
冷や汗をハンカチでぬぐうと、男は顔で公園から出た。
途中幼稚園児と先生と思われる女性とすれ違ったが、堂々と歩く。すると、幼稚園児の声が聞こえた。
「せんせー、かだんにうめたにせさつ、どうなったかなぁ?」
花壇の植え替えの時に、先生が現金を見つけて、とっさに子供銀行券を隠したんでしょうかね。
まあこんなところに隠す奴が悪いのです。てかせいぜい数百万だろ……