表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/103

月下の水たまりミラー

お題:誰もいない駅のホームが舞台で『水たまり』が出てくるトキメク話

字数制限:7ツイート(140字×7=980字)以内

 終電が通りすぎた田舎の駅のホームは、何とも寂しげだ。申し訳程度の無人の改札口しかなく、ホームはコンクリートの舗装がはがれて荒れ放題。周囲は田んぼと畑、そして改札側に数軒の民家があるくらいで建物がほとんどない。

 誰もいない暗いホームを、階段に向かって歩く。今日は満月のため、外灯のないところでもいつもより明るく感じる。

 しばらく歩くと、階段の手前に、小さな水たまりが見えた。電車に乗っている時に雨が降っていたから、そのせいだろう。

 満月に照らされたその水たまりをこっそりのぞくと、自分の疲れた顔が映し出された。

 いつもの自分だな、そう思っていると、水たまりの水面が揺れた。かと思うと、若い女性の顔が浮かび上がった。

 おかしいな、ほかには誰もいないはずなのに、やっぱり疲れているんだ。そう思いながら、女性の顔を見る。年齢は二十代前半くらいで、黒く長い髪が美しい女性だ。

「僕はどうして疲れた顔をしてるのかな」

 思わず女性に呟く。

「疲れた顔に見えるのは、あなたが頑張ったからです」

 彼女はそう言っているように見えた。

「そうかな、そんなことは無いと思うけれど」

「本当に頑張っている時は、頑張っていると思わないものです」

「そういうものかな。じゃあ明日も疲れた顔を見せるよ」

「そんなに毎日頑張らなくてもいいでしょ? たまには力を抜いたら?」

 そういえばここ数日、休みらしい休みを取っていない。休日にも家で会社の作業をしたり、イベントの準備をしたりしていたんだ。

「ありがとう、元気が出たよ」

 そう言い残すと、水たまりを後に、階段を昇った。

 いつもなら疲れた体にはしんどい跨線橋の階段も、今日は格段に楽に昇れる気がする。

 跨線橋の上まで昇ると、上の通路を渡り、下り階段を下りる。改札に出ようとすると、「お帰りなさい」と声がした。改札の入り口まで行くと、長い黒髪が美しい若い女性が立っていた。私の妻だ。

「今日はやけにうれしそうね」

「そう見えるかな」

 私を見るなり、彼女は笑顔で私の手を握った。

「さ、帰りましょ」

 満月の夜空の下、誰もいない道を歩く。ふと、妻が呟いた。


「私の想い、通じたかな」

 短いのになれていると、ちょっと長くなっただけで逆にしんどくなったりします。長い分、情景描写や心情描写を取り入れることができるので、場面は想像しやすくなるのですが、私はそういうのが苦手なのです(汁


 さて今回のお題、7ツイート分とかなり分量が多いので、さてどうしようかと考えました。しかし、結局結末を考えず話を進めるという作戦に出ました。どうしてこんな結末になった(汁

 ときめかせながらショートショートのオチに持って行きたかったのですが、無理でしたごめんなさい字数たくさんあったのにしくしく。


 まあたまにはこんな話もいいでしょ、ってことで。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ