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プロローグ
気分が悪くなられましたら、迷わずこのページをお閉じください。
あまり楽しい内容は書かれていません。
本の世界って不思議だよね。
どこにでもありそうで、でもどこにもない世界。
触れただけで、私はその世界に行けるの。
住人になれるの。
電脳の世界もおんなじだと思ってた。
誰かが触れて、誰かが離れて。
そこに実際には誰もいないのに、世界として成り立ってる。
指ひとつでつながる世界なの。
私はそこに惹かれてこの世界にやってきた。
だけど……
現実は違ったの。
欲望と羨望と嫉妬が入り混じって、きれいだと思ってた世界は一瞬にして混沌の世界に変わった。
私が気がついたときにはもう遅くて、私は一瞬で混沌に飲み込まれたの。