SANTA GIRL
短いです。
夕方、金を下ろしにコンビニに行く途中、道路の向こう側のケーキ屋の前に、あいつが立っていた。
いや、ミニスカサンタの格好をした女がいるのは、だいぶ前から目に入っていた。書き入れ時だからなー、と思って通り過ぎようとしたら、呼び込みの声が耳に入った。
「ケーキいかがですかー?」
周囲に呼びかける声は、よく知っているあいつの声。
思わず振り返った。
……みにすかあと、だ。
生きててよかった。
………いやいや、そうじゃなくて。
一体どういう風の吹きまわしだ?
今日明日はバイトが交代でケーキの店頭売りをするっていうのは知ってる。
でも、確か去年はトナカイのきぐるみじゃなかったか? その前は普通のサンタ服だって言ってたから、きぐるみで何かが吹っ切れたのか?
それにしても、筋肉ついてて脚がごついからスカートは穿かないって言ってたのに……
就活もパンツスーツだった、って言ってたのに……
……綺麗な脚じゃないか。
こんなことなら最初から見張っていれば……
いやいや、それじゃまるでストーカーだ。今だってかなりぎりぎりじゃないのか? 俺。これで何往復目だ?
あ、中に引っ込んじまう。交替時間か? あのカッコ、寒そうだもんな。この冬一番の寒さだって言ってたし。
……交替の子もミニスカだけど。もしかして、今年は全員あれなのか? だとしたら、店長、ずいぶん思い切ったな。
……ああそうだ、コンビニに用があるんだった。
バースデーケーキの礼は……後でいいか。




