家の中
遅れてすみません
「で、なんで私の家の前にいたの?」
「それはですね・・・かくかくじかじか」
「ふむふむ、なるほど、全くわからない」
かくかくじかじかで、アニメやゲームじゃないんだから、わかりっこないよ。でも、なんとなく、分かるんだよね…
これがアニメやゲームで言うと…
「率直に言うと、ここで住ませてください」
「え、ええええええ!!」
それから、色々説明がありまして
「というわけで・・・」
「ここに住ませてくださいと言うことになるのか」
「では・・・」
「いやいや、マズイから!」
私、男ですから、はい!非常にマズイです。色々とあっちの方で。
お風呂とか・・・ね!
「本当にダメですか?」
「ダメです」
「うーん、どこか行く場所はないかな、あっ、あの公園なら、一日凌げそ--」
「ストーップ!!」
私は公園に向けて歩きだそうとする真梨奈さんの肩を掴んで止める
「痛いですよ、日高さん」
「あっ、ゴメン。じゃなくて、今どこに何をしに行こうしたの!?」
「荷物は明日来るので公園に一日泊まる準備をしにです。日高さんの所がダメらしいので。」
「いやいや、それはいろいろマズイし」
「まずいとは具体的なには」
「マズイといえばいろいろね・・・。そういうより、女の子を一人で外に置くわけにはいかないよ」
「ということは・・・」
「残念ながら、同居だね」
「ありがとうございます」
「じゃあ、今更だけど、私は日高智唯、よろしくね」
「はい、よろしくお願いします。えーと、上原真梨奈です。」
「あのさー、真梨奈さん」
「真梨奈でいいです」
「えーと、ま、真梨奈」
「はい」
名前呼ぶだけで緊張してしまうなんて、真梨奈さんは本当に一つ一つに美があるなと思う。だって、肌は白いし、髪は銀髪だし、美人だし、完璧だね!?と内心で思いつつ、気になることをあげてみた。
「真梨奈はどこ生まれなの?」
「日本ですが、物心つく頃には海外で過ごしてました。そして、昨日、久しぶりにこの桜の美しい町にやってきました。やっぱり、桜は日本を表しますね」
「日本を表すか、私もそう思うな。それで、、桜は好きなの?」
「はい、大好きです。私、見た目は外国人に見えますけど、一応、日本人の血も流れていますから。」
無垢で、一曇り(ひとくも)の無い笑顔はとても、魅力的で、そしてなお、幻想的でこの笑顔をずっと、守ってあげたいと思った。そして、私の中の何かがトクンと何かが高まるのだった。なんだろう、この気持ち。
「でも、周りはいつも外人だって、偏見を持って接してくるんですよね。そこが残念です」
私はふと、朝の光景が頭に浮かぶ。ただ、一人でどこかの劇場みたいに魅力溢れていて、話しづらい空気を。もしかしたら、海外でも日本でもずっと、そうして、一人でいたのだろうと思った。それは悲しい事だし、あってはいけないことだ。しかし、私にはそれを変えることができないし、どうすることもできない。しかし、・・・ただ、一つできることがある。
私は、真梨奈をギュッと抱きしめた。
「大丈夫だよ。私がいるから。私が側にいるよ」
「日高さん…」
「さんはなし!できれば、名前で呼んで」
「智唯・・・さん」
「いつか、さんを無くせるようにね」
もう一度、真梨奈を強く抱きしめた。
まだまだ、続くのですが、区切りがいいので。