宇宙から
レンジの中から聞いたことのない破裂音がして
宇宙人が破裂した
わざとじゃない
買って来た弁当をいつものようにレンジにかけたら
知らずに宇宙人が入っていたのだ
温まった生姜焼き弁当の蓋の上で
小さな手足が千切れ
腹から緑の液体と臓物が飛び散っていた
俺は女の子みたいな悲鳴を上げ
子どものように泣いた
宇宙人とのファーストコンタクトが
こんなことになるなんて
綺麗で、つぶらな瞳から緑の血が流れている
俺はまずスマホで写真を撮った
宇宙法廷の際、証言だけで無実を勝ち取ることは難しいかも知れないから
遺体、緑の血が飛び散ったレンジ、床、弁当、
一通り撮り終え、弁当を食べてから、
ゴム手袋で遺体を庭に埋める
戒名「宇宙院小美天爆散大居士」
ミニお墓とミニ板塔婆を買い、自前でお経をあげる。
庭で、木魚を叩き、線香の煙が空へと上っていく。
滂沱の涙を流しながら、その死を悼んだ。
夢で、俺はレンジの中にいた
復讐を誓う宇宙人達に入れられたのだ
訴えも懇願も怒声も号泣も外には聞こえず、
俺は爆散した
四肢が千切れ飛び、臓物が飛び出し
悲鳴で目が覚めた
正夢にならないよう宇宙に祈った
そして
その時が来た
真夜中、光と共に宇宙船が庭に着陸した
小さな宇宙人達が降り立った
運命の時
俺は写真を手に、必死に自分の無罪を訴えた
レンジを、墓を示し、自分も不幸な事故に悲しんでいることを伝えた
彼らは部屋の中、レンジ、床を見て、また庭へ
俺は言い尽くし、もう何も出来ず、
ただ待っていた
宇宙の判決を
彼らは、俺には分からない言葉で話し合い、
墓を見て、地面を見つめた
一人が光線銃を出し、地面を撃った
地面から、生き返った宇宙人が這い出てきた
生き返った宇宙人は、光線銃を撃ち
爆散したレンジを後に、
皆で宇宙へ帰って行った
気に入ったのだろうか
戒名の書かれた板塔婆だけが
無くなっていた




