書籍化したら、みんなは誰に自分の本を配る?
どうも、私生活を切り売りしてエッセイを書くマイヨです。
今回は、本を出版することになった作者が、自著を配る時のお話です。
紙書籍を出版する際には、『著者献本』と言って、作者は何冊か出版社から自著を発売日の少し前に貰えるんです。
ちなみに、出版契約書にも『著者献本で〇冊を作者に渡す』みたいにきっちり明記されています。
まず、発売日から何日か先んじて、著者献本が宅配便で届きます。
今まで、イラスト画像や色校で何度も表紙や挿絵イラストは画面上で確認していますが、やはりちゃんと1冊の本の形になっているのを手に取ってみると感動するものです。
さて、そんな幸せ心地、夢心地もつかの間、次に作者が思う事は、
「このたくさんの同じ本、どうしよう……」
という現実です。
なにせ全く同じ本が何冊も段ボールに詰められているのです。
1冊は自宅の本棚に入れるとして、残りの本をどうすればいいのか?
これが、創作活動に関するお友達が多い人なら、むしろ配る冊数に足りないと頭を悩ませるのかもしれませんが、あいにく私にはそんな友人はおりません。
ちなみに、私がサイト外で小説活動を打ち明けているのは、以下の人々です。
①妻
→加筆作業等で時間を使うし、印税による収入も発生するので、出版社からの書籍化打診に返事をする前にいち早く話した。
なお、私の書いている作品は全然読まない。
本人曰く、「私が読んでたら恥ずかしくて書けなくなるでしょ?」とのこと。
さすが、俺の事よく解ってる~。。
②実妹
→日頃からオタ話をしているので、実家帰省時に話した。
私の作品の中では、異世界恋愛ジャンルのトゲトゲ聖女が一番好きらしい。まぁ、他の作品は男向けだからね。
コードギアスが好き。
③副業許可申請に係った職場の偉い人たち
→これは、職場から副業の許可を得る以上、打ち明けざるを得なかった人たち。
副業許可申請時の私の赤っ恥エピソードについては、拙作エッセイ
『職場へ「書籍化します!」と副業の許可申請をした時の話』を読んでね。
④リアル友人2人
→友人①は勤め先の同期の友人。友人②は大学時代からの友人で出版社に近しい仕事をしている。
それぞれ、サシ飲みをした時に打ち明けてみた。
趣味は筋トレとロードバイクというのが友人たちが抱く私へのイメージのため、小説を書いていたという所にまず驚かれた。
まぁ、始めてまだ1年ちょいの趣味だしね。
なお、筋トレとロードバイクの趣味歴は10数年。
⑤行きつけの焼き鳥屋の大将
→友人①に出版について打ち明けた場が、この行きつけの焼き鳥屋だったので、必然、酔っ払い特有のバカデカ声により店の大将にもバレる。
後日、店に1人飲みに行った時に「よっ、先生!」といじられる。
ここのホルモン串と、こだまバイスサワーの組合せが最高にうめぇんだ。
⑥行きつけの飲み屋の女将
→上の焼き鳥屋とは別の店。⑤の店に言っちゃったなら、こっちの店にも言っておくのが筋だよな、と謎の仁義を切る精神が発動。
「ネットで小説を投稿してみたら人気が出て、出版社から本を出さないかって誘われてさ~(一応、全部ホント)」
と聞かれてもいないのに私がウソくさい自慢話を語り出したので、酔っ払いのホラ話だと思われてる可能性大。
番外編:妻のママ友
→子供のスイミングスクールの保護者観覧席で、私がモバイルパソコンで原稿を書いていたのを見かけたママ友が、後日のママ友飲み会の時に「旦那さん仕事忙しいの?」と妻に尋ねたそうな。
で、酔っぱらってる妻が
「うちの旦那、副業で物書きやってるのよ~」と暴露しやがった。
翌日、酔いが醒めて「ゴメン、言っちゃった……」と妻が自白。
作者名や作品名は言わなかったので一応セーフ。
お父さんと子供はお留守番のママ達オンリーの飲み会で本当に良かった……(泣)
はい、以上のことから分かることは、酒が入ってる時は気をつけろよってことです。
人間、酒が入ると、つい気が大きくなって舌が軽くなっちゃうんですよ。
特に、書籍化することをまだ対外的にオープンにしちゃいけない時期は気を付けましょう。
ちなみに、上記のカミングアウトした人たちも、打ち明けたのは、ちゃんと書籍化をなろうサイト上で発表した後のタイミングですからね。(家族は除く)
書籍化したら周囲には絶対に隠し通すぜ! って人は、私と同じ轍は踏まないように心を強く持つか、ひたすら断酒していただきたい。(私は無理です)
さて、話を本題に戻して、著者献本の配り先についてです。
①の妻というか家族は自宅用があるから不要。
なお、著者献本は宅配で届くのですが、届いた箱の大きさ的に、普段田舎の私の両親が我が家に送ってくる宅配と同じような大きさだったため、「何かおばあちゃんから送られてきたの?」と息子がワクワクして中を覗き込んできて、ガッカリしてました。
②の実妹は送るつもりでしたが、いち早く予約購入してくれてたので送りませんでした。
売上に貢献してくれてありがとう妹よ。
そして、父母には……特におしゃべりな親父殿には絶対に俺の本だって言うなよ。
田舎だと恐ろしい勢いで噂が広まるからな。
③の職場が意外なことにメインの配り場所になりました。
副業の申請の際には、色々と手続で手間をかけさせましたからね。
私は職場では小説活動について極力内緒にしたいという方針なので、他の人には見られないよう、「これ、例の物です」と各お偉いさんにコソッと手渡すという、各個撃破方式をとりました。
こっそりとバレンタインデーでチョコを渡す女の子の気持ちが解ったような気がしました。
なお、本を渡す時は、そんなに恥ずかしくないです。
「本が無事に出来て良かったね~ すごいね~」みたいに和やかに終わります。
本当の責め苦は、本を渡した後に来ます。
職場の人という関係上、毎日のように顔を合わせるわけですが、そうすると、
「今めっちゃ真面目な仕事の話してるけど、私がラブコメで可愛い女の子の話とか書いてる奴だって、この人にバレてるんだよな……」
「あ、〇〇さんは息子さんに読ませてみるって言ってたな……」
「っていうか、下ネタの箇所とかあるじゃん!」
「アババババババ!」
と、ふとした瞬間に思考がそっちに持って行かれてしまい、羞恥に悶えることになります。
④の友人2人
友人はね。
職場の人と比べれば、渡しても全然恥ずかしくはないですね。
付き合い長いから、若い頃の恥部についてはお互い握り合ってるので、今さらって感じだからですかね。
⑤の常連の焼き鳥屋
酒の場という事もあって楽しかったです。「先生!」とか店員さんに冗談で呼ばれたり、他の常連客に執筆苦労話を語ったり、小説書いてみちゃいなよと勧誘してみたり。
あと、本のお返しにと、大将から帰り際にモンブランをもらった。美味しかったです。
⑥の常連のお店の女将
本が出るのはホラ話だと思われてると予想されたので、ちゃんと発売日前にお店に行って、購入サイトではまだ発売前の本でしょ? とスマホで見せながら本を渡した。
案の定、自分の本が出版される云々は飲みの場でのホラ話だと思ってたらしく、マジだったんだと結構驚いていた。
ホラ話の整合性が段々と保てなくなって、お店自体に来なくなるお客さんは結構いるらしい。
⑦ソウ マチさん
妻のママ友と見せかけて、まさかの個人名。
いわずと知れた、小説家になろうエッセイジャンルの雄!(女性作者さんだけど)
上手い事、人を介して自著を渡せるチャンスがあったのでラッキーでした。
初の書籍化作業で解らないことは、先輩プロ作家のソウ マチさんに質問して教えてもらっていました。
その節は本当にありがとうございました。
以上が私の著者献本の配り先でした。
ちなみに、著者献本分は上記の方々へ配るので綺麗に全て捌けました。
というか、結果としては1冊足りなくなっちゃって、自宅分は自分で買い足しました。
実は、作者は自著を割引で購入できるという制度もあるんですが、さすがに1冊単位では頼めないので、今回は活用しませんでした。
中古本で自著を売るなんて嫌だし、部屋で塩漬けかと出版契約当初は思っていましたが、案外配り先は何とかなるもんですね。
という所で、今回のお話は以上です。
皆さんも自分の本が出たら、誰に本を配ろうか、誰には秘密にしておこうかと頭を悩ませてみてください。これが案外、悩ましくも楽しいもんですよ。
それではまた。
このエッセイを読んでる皆様にも是非自著を贈りたいけど、もう著者献本が手元に無いからな~ 残念だな~(棒読み)
おや! あとがきの下部に、イラストを担当してくれた細居美恵子先生の素敵な表紙イラストがあるぞ! ちょっと、その上の表題リンクをクリックしてみよう!(猿芝居)
あと、作者の活動報告には、ここでしか見れないキャラのラフイラストがありますので、そちらも是非どうぞ!