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底辺配信者の異世界グルっと1周旅!  作者: カモノハシの左前脚
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♯6 【重大発表】私の異世界生活を配信します。

朝、見上げればそこは青い空、地面は砂浜。はて、私は家の中で暖かいベッドの中で気持ちよく寝ていたはずだが。ベッド横の机に置いていたパソコンは充電が切れ、砂浜に落ちている。それだけでは無い、私の夢のマイハウスがまるで霧のように異世界の無人島から姿を消してしまっていた。


「なんですぐ充電切れるの!しかも家無くなってるし!もしかして充電切れたら画像編集で出した物ってきえちゃうの!?」


原因は分かっている。寝る前ベットで暖まっていた私はパソコンのヘルプ機能を思い出した。「そういえばヘルプ機能とかあったな〜」と、試しに使用してみると、なんとそれぞれのアプリの機能を確認できたのだ。そしてあれやこれやとアプリの機能を確認し夜更かししていた。まずカメラアプリは使用すれば私の一人称視点と三人称視点を録画出来ることが判明。これにより私は、再び動画投稿や配信が出来るようになったのだ。


「まぁ、そのカメラアプリは充電が切れて使えなくなってるんだけれど…」


カメラアプリや自動翻訳アプリ等、一部のアプリはパソコンを閉じていても常時発動状態にできるらしい。しかしパソコン本体の充電が切れると同時に使えなくなってしまった。


「そういえばパソコンの充電…MPの蓄積量は私のMyTubeの登録者数を参考にしてるとかなんとか言ってた気がする…?」


あまり詳しく覚えてないけど確かにそんな事が書いてあった。…気がする。ならば異世界生活を動画にすればだこちらの生活が快適になり、登録者数も増え一石二鳥である。だが動画配信を再開するにしてもパソコンが動かなければ意味が無い。前回は六時間程で充電が溜まっていたから今回も同じくらい待たなければならないだろう。


「お城でも作ろ…」


砂も水も腐るほどある。六時間の暇を潰すにはもってこいだ。


砂のお城作りに没頭した私は二時間かけ 、遂に完成…する事はなく、あまりの出来の悪さに足でぐしゃぐしゃにした。二時間かけて出来上がった物は城ではなくただの砂の山だったからだ。

砂のお城もとい、砂山を破壊したあと、私はひたすら砂の粒を数えていた。気が狂いそうと思うかもしれないが無心で数えれば何も問題はない、そう問題は全くないのだ。そして数えた砂の粒が一万を超えたあたりでパソコンが息を吹き返した。しかし私はそれに気づく前に砂浜に撃沈した…


「…ん、あ、充電…でけた…」


無人島で一人孤独に砂粒を数えるのは私の想像以上に精神に来るものだった。こんなもん時給2000円でもやらない。無人島で砂粒を数えると精神を病みます、気をつけましょう。

ただパソコンの充電が出来たならカメラ機能が復活する。そうすれば遂にアレができる。


「私は世界で初めて異世界にいった配信者って事で人気者に…ぐへへ。」


ダメだ、ニヤニヤが止まらん、登録者数も再生数も高評価もうなぎ登り…最高だぁ。


さっそくカメラを起動し、人類史上初、異世界での動画撮影を開始する。今回は異世界転生する方法と今後異世界で生活する事の報告動画だ。


撮影と編集を終わらせ、完成した動画を投稿ると夕方になってしまった。パソコンの充電はまだ50%ほど残っている。ここでもう一夜過ごすか、夜のうちに近くの漁村まで行くかの決断をしなければならない。夜に船旅をするのが危険なのは分かっている。ここは一択だろう。

この住み慣れた無人島からの脱出だ!思い返せば楽しい思い出がたくs…いや、ない、全然ない。何故か毎日砂の上で寝る事になったし。雨がしのげた事くらいしかいい事ない。だがそんな無人島とも今日でおさらばである。


まずはカメラで島の海岸の写真をとり、その写真に船を合成する。そうして現実に出現させた船に乗り込み…


「私を散々苦しめてくれた無人島よ!さようならー!」


無人島にむかって笑顔で手を振り叫ぶ。あぁやっと解放されるんだ!

読んでくれてありがとうございます。もし良ければ高評価とブックマークもお願いします!

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