♯23 冒険者ギルドへ行こう
ソフィアが仲間に加わってから三日後、私達が泊まっている宿に私宛で冒険者ギルドから手紙が届いた。「至急伝令あり」と書かれた手紙に従い私、小田君、ソフィアの三人で冒険者ギルドへ向かう。
朝から、というかこの三日間常に不審な行動をしていたソフィアの隣は嫌なので小田君を挟んで歩く。その影響なのか小田君が何かを小声で高速詠唱しているがそのおかげで私も現実逃避できるのでありがたい限りである。
だが小田君の高速詠唱が癪に障ったのかソフィアが髪留めを一つ外し自身に冷気を纏わせ始める。そして小田君のシャツの中に手を突っ込む。
「ひょわ!」と奇声をあげて飛び上がる小田君、そしてそれをまるで汚物を見るような目で眺めているソフィア。
(あーこの二人仲良しだなぁ、このまま二人で旅に出ればいいのに)
私が終始現実逃避をしたまま冒険者ギルドに到着した。
小田君はソフィアによる執拗な嫌がらせ(愛情表現?)をうけ、半泣きになっている。時折私に「ソフィアさんが酷いでござる〜」と泣きついて来るがその度にソフィアが絶対零度の眼差しを向けてくるのでやめて頂きたいところだ。
冒険者ギルドに入ると前回受付をしてくれおじさんが出迎え、少し世間話したあとで私達三人はギルドの奥の部屋に案内された。
部屋には金色の鎧に身を包んだ金髪碧眼のイケメン青年と年季の入ったローブに身を包んだ白髪の老人の二人が待っていた、二人はそれぞれアレクサンド、ベインと名乗る。それに合わせて私達も自己紹介する。
現状小田君はこちらの世界の言葉が分からないので私が『自動翻訳』を使い通訳する。一方ソフィアは能力【天空神之加護】を使う事でこちらの世界でも支障をきたすことなく会話ができるようで自分で自己紹介ができるのだ。
それぞれの自己紹介が終わるとベインさんが早速本題に入る。
「お嬢さんの能力【冥王之加護】は過去一度も確認がされた事がない。ワシら王国騎士団の書物にも記載がないので八方塞がりになってしまっている。そこでじゃg…」
「あらあら凛花さん、そういう事なら私に頼って下さればよかったのに。少しお待ちくださいね。」
ベインさんの発言を遮るようにソフィアが話し出す。そのせいでベインさんがとても残念な顔になっているが慰めてあげた方がいいのだろうか…。
アレクサンドさんはソフィアに見とれていて頼りにならなそうなので、小田君が気を利かして慰めてあげて欲しい。私が慰めても良いのだがそうした場合ソフィアによってベインさんが凍結される可能性があるので危険である。
私はソフィアにバレないよう小田君に合図を送りベインさんを慰めさせる。言葉は通じないので頭を撫でてよしよししている。ベインさんは少し嬉しそうな顔になった。
ベインさんがすっかり元気を取り戻した頃ずっと黙って調べてくれていたソフィアが口を開いた。
「分かりました、【冥王之加護】は…特になんの能力もないです」
「「「「…」」」」
部屋に気まづい空気が流れる、小田君はおろか、ベインさん、アレクサンドさんにまで同情半分、期待外れ半分といった視線送られる。
(あぁ、消えてなくなりたい…)
「そんな、凛花さんが消えてなくなったら私が悲しいです。」
あまりに憔悴しきった私はソフィアがしれっと私の心の声を読んでいる事にさえ気づかなかった。
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