9話 鑑定結果はFカップ
俺はクレハを問い詰めようかと一瞬思ったが、そのまえにアリスさんが戻ってきた。
「それでは、気を取り直してクレハちゃんの鑑定をはじめましょうか」
アリスさんはクレハの白く小さな手をとった。
そして、水晶に重ねる。
クレハのステータスが、水晶の光で浮かび上がってくる。
アリスが目を大きく見開いていた。
「す、すごいですよ! ほとんどのステータスがA以上ですし……魔法関係はSばかり! 魔力量もめちゃくちゃ多いですし。あっ、固有スキルも、伝説級の『大賢者』!」
あらゆる魔法を習得容易にするのが、大賢者というスキルらしい。
さすが女神様。
俺とはスペックが違う。
感心して俺は聞いていた。
「まあ、これはあくまで素質の話であって、いますぐ強さに直結するというわけではないですけれど。それでも、クレハちゃんには歴史に名前を残すような冒険者になれる可能性がありますよ」
アリスさんはそう言って、クレハを抱きしめた。
クレハはあわあわと慌て、照れた様子で下を向いた。
そのあいだに、俺は何の気なしにクレハのステータスを覗き込む。
アリスさんが「あっ」とつぶやいて、俺を止めようとした。
「ロッカクさんは見ないほうが……」
だが、その忠告の前に俺は見てしまった。
クレハのステータスに一つだけ「F」という文字が目に入ったのだ。
クレハにも俺より低いステータスがあるのか。
と思っていたら、クレハが急に顔を真赤にした。
「ろ、ロッカクさん……見ないでください!」
「どうして……あっ」
俺は気づいた。
F、というのは低いステータスではない。むしろその逆だ。
その項目はカップサイズ、と書かれていた。
要するに胸の大きさということだ。
異世界にもカップサイズとか、ブラジャーとかあるのか、という方にまず驚く。
そして、クレハって見た目どおり胸が大きいのか、とぼんやりと考えた。
ついでに、その下にはスリーサイズという項目もあり、91/59/89、と書かれているのが目に入ってしまった。
俺は慌てて目をそらすが、クレハは俺の目の前に立って、潤んだ瞳で俺を見つめた。
「ロッカクさん……忘れてくださいね?」
「もちろん」
俺がこくこくとうなずいた、
そう言われても、忘れられるものではないけれど。
アリスさんはむうと頬を膨らまして、俺を睨んでいた。
「ロッカクさん……ダメですよ。女の子の秘密を見たら」
「すみません……」
「本当はクレハちゃんの胸の大きさ、知りたかったんじゃないですか?」
そう言われて、俺は困った。
ステータスにスリーサイズやカップサイズが表示されるなんて、知ってたわけがない。
クレハは赤い顔で、おろおろとしていた。
「あ、あの……わたしはロッカクさんになら知られても平気ですから。……すこし恥ずかしいですけど」
「ごめん」
俺が謝ると、クレハはふるふると首を横に振った。
「ロッカクさんは……胸の大きい子は嫌いですか?」
「嫌いじゃないよ」
「なら……好き、ですか?」
俺は返答に困って、結局、正直に答えることにした。
「もちろん好きだよ」
その言葉を聞いて、クレハは恥ずかしそうに、けれど嬉しそうに微笑んだ。
「つまり、ロッカクさんは……わたしみたいな子のことが好きってことですよね?」
クレハに上目遣いに見つめられ、俺はどぎまぎした。
正直に言えば、タイプだ。
クレハみたいなスタイル抜群で年下の美少女が、嫌いなわけがない。
けれど、俺は大人で、クレハは女子高生なのだ。
俺はクレハに返事をしようと口を開いた。
☆あとがき☆
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