年間ベストアルバム2024年(邦楽洋楽混合)
年末の好例「年間ベストアルバム」!
2024年のベスト10はどの作品に…?
まずは前口上から。率直に言うと、世間や評論家筋で評価が高い音楽でも、分からない(≒理解できない)音楽がたくさんある。僕の考えるリスナー道は、世間や評論家の評価に惑わされず、自分が良いと思った音楽を良いと言って聴き、良くないと思った音楽は良いと言わないことである。アンテナを張りつつ、自分の音楽鑑賞の羅針盤を育てていくこと、その孤独な好奇心にこそ、リスナー道の真髄があると思う。
そんなよーよーの大げさリスナー道にのっとって、今年のベストアルバムを選出しました。
まずは、20位から11位までカウントダウン!
【20位】haruka nakamura『劇場アニメ ルックバック サウンドトラック』
【19位】小山田壮平『時をかけるメロディ』
【18位】大森靖子『THIS IS JAPANESE GIRL』
【17位】野田洋次郎『WONDER BOY'S AKUMU CLUB』
【16位】SUPER BEAVER『音楽』
【15位】Cigarettes After Sex 『X's』
【14位】ZAZEN BOYS『らんど』
【13位】MGMT『Loss of Life』
【12位】The Cure『Songs of A Lost World』
【11位】ザ・リバティーンズ『All Quiet On The Eastern Esplanade』
それでは、続きまして10位から1位までカウントダウン!
【10位】リーガルリリー『kirin』
たかはしほのかによるボーカルとソングライティングからして異次元。僕たちを不思議の国に招待してくれる。芯があるが少女のような柔らかな歌声に対して、ギターサウンドは轟音だし、ベースは成熟した鉄壁さでウワモノを支えるし、そのギャップも無二。歌声の浮力(巫力)で素敵なファンタジー空中紀行をお楽しみください。
【9位】BUMP OF CHICKEN『Iris』
場末のライブハウスで鳴らす性急なギターロックの焦燥の時代から幾星霜。アリーナ/スタジアムの余裕な広さの中でひとつの宇宙を聴かせる彼らがいる。2010年代からそのモードだが、本作にはとびきりの余裕ゆえのポップで豊潤な音楽性を感じる。ベテランならではの成熟したポップネスを作品に感じる好例だ。
【8位】The Smile『Cutouts』
レディオヘッドのマルチプレーヤーであるトム・ヨーク、ジョニー・グリーンウッドとジャズバンドのサンズ・オブ・ケメット(2022年解散)のドラマーであるトム・スキナーが2020年に結成したバンド「The Smile」(ザ・スマイル)の3rdアルバムがこの『Cutouts』です。
ところで、世界的に評価されている村上春樹へのディスを先日、本の活字で目にした。王様は裸だと言いたいのかもしれないけど、僕にはその裸も魅力的に思える。レディオヘッドへのディスも個人的にそれと同じ。いくら批判されようと、レディオヘッドの音楽には、トム・ヨーク由来の天才的な創造力の豊かさを感じずにはいられない。
本作はThe Smile名義だけど、レディオヘッド名義のアルバム、待ってますよー! またあの5人のメンバーによる至高のアンサンブルを聴きたい。
【7位】SEKAI NO OWARI『Nautilus』
やはり、ポップスの名曲には歌メロにベタな訴求力が必要と認識させる一曲目「タイムマシン」。この曲に乾杯! もう、サビメロの美しさだけで感涙だし、完敗ですよ。
僕は勝手にセカオワのFukaseさんのことを漫画『暗殺教室』の赤羽カルマと重ね合わせて見ているのだが、カルマ君と同じような危うさとクレバーさをFukaseさんには感じるのだ。セカオワはビートルズのように各メンバーに個性があるが、やはり僕にとってはFukaseさんが音楽的にもキャラクター的にも一番魅力的だな。
【6位】GLAY『Back To The Pops』
GLAYはJ-POPの実力者であり、覇者。本作も手抜かりなくポップとロックの王道を追求しています。
仲違いしたポストロック志向の親友バンドマンも音楽の聴き始めはGLAYだと言っていたな…。僕の世代でいま、尖った音楽を演奏している人も、GLAY、ラルク、ジュディマリなどのJ-POPが聴き始めだったという方は皮膚感覚でも多い気がする。やはり、音楽シーンが豊かになるには、それらの入り口ゲートウェイとなる音楽も豊かにならなきゃね。それは、これからシーンに出てくる若い世代にも言えることだね。
【5位】THE YELLOW MONKEY『Sparkle X』
年間ベストソング特集記事でも書いたけど、今年、僕がアップルミュージックで一番聴いていたのはイエモンだ。フォロワーの方にも言われたけど、空気を吸って吐くようにイエモンを聴いていた。ギラギラしていた時期の彼らも魅力的だけど、適度に枯れても輝き続ける彼らも魅力的だね。
【4位】米津玄師『LOST CORNER』
この作品に「脂が乗っている」という形容は可能だが、彼はこの作品に限らずいつも脂が乗っているので、本作のみを指したクリティカルな批評にはならない。ボカロ時代のハチ名義時から、ブレイクして数年経った今までずっとイマジネーションとクリエイティビティの権化。人々は少し孤独に思える人物をヒーローだと思うのだと誰かの本で読んだ。彼はまさに音楽シーンのヒーローだと思う。
【3位】Coldplay『Moon Music』
突き抜ける青の空のようにモダンで美しいサウンド、白昼に浮かぶ月のようにセンチメンタルなバイブス、弱音も本音も吐露するかのように密な歌詞。やはりグローバルでトップなバンドは全方向にハンパなく完成度が高い。
【2位】高野京介『ロックマン』
現ゲスバンド、元うみのて、SuiseiNoboAz、大森靖子&ピンクトカレフなどのギタリストの初ソロ作品。
前述した今のコールドプレイがスタジアムだからこそ映えるロックだとしたら、高野京介(別名:高野メルドー)はライブハウスだからこそ映える場末なロックを演奏している。彼のこの作品を聴いていると、彼の生き様とどこを眼差しているのかがヒシヒシと伝わってくる。高野さん、自身の上京当時もくるりを聴いていたんだろうな。涙。
【1位】笹口騒音ハーモニカ『The Rockfather』
宅録の傑作だが人を選ぶので、これから彼の音楽を聴き始める方には、"うみのて"や"笹口騒音オーケストラ"名義の作品を最初に聴くことをオススメします。
さまざまな音楽的or表現的アイデアがゴロゴロ並んでいる本作。ビートルズは4人でホワイトアルバムを作ったけれども、笹口さんは1人で作ってしまった。1時間30分強で28曲、弛緩することなく濃密な表現が続くのは、やはり天才だ。
戦争のニュースが絶えない中で、反戦歌を歌うのは真っ当だと思う。以前のレビューにも書いたが、ミュージシャンが理想を歌わずに誰が理想を歌うのか。友人のミュージシャンである川辺歩も言っていたが、名曲「この子が大人になるまでには」はまさしく現代のイマジンだ。
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いかがでしたか?
読者の皆様と音楽の良い出会いがありますように。
よーよーは来年もひたすら良い音楽を探し続け、レビューしていきます!
★とかげ日記が選ぶ2024年ベストアルバム★
【1位】笹口騒音ハーモニカ『The Rockfather』
【2位】高野京介『ロックマン』
【3位】Coldplay『Moon Music』
【4位】米津玄師『LOST CORNER』
【5位】THE YELLOW MONKEY『Sparkle X』
【6位】GLAY『Back To The Pops』
【7位】SEKAI NO OWARI『Nautilus』
【8位】The Smile『Cutouts』
【9位】BUMP OF CHICKEN『Iris』
【10位】リーガルリリー『kirin』
【11位】ザ・リバティーンズ『All Quiet On The Eastern Esplanade』
【12位】The Cure『Songs of A Lost World』
【13位】MGMT『Loss of Life』
【14位】ZAZEN BOYS『らんど』
【15位】Cigarettes After Sex 『X's』
【16位】SUPER BEAVER『音楽』
【17位】野田洋次郎『WONDER BOY'S AKUMU CLUB』
【18位】大森靖子『THIS IS JAPANESE GIRL』
【19位】小山田壮平『時をかけるメロディ』
【20位】haruka nakamura『劇場アニメ ルックバック サウンドトラック』