罪と罰の名曲10選を聴いてくれ
今回のテーマ別特集では、犯罪、犯罪者、罪、罰、つぐないなど、罪と罰に関する曲を紹介していきます。ツイッター上で連載したものを一つの記事にまとめてアップします。
(「罪と罰」といえば、小説の「罪と罰」は途中で挫折したけど、いつか読破したい。)
#罪と罰の歌10選①
ミドリカワ書房「母さん」('10)
命が尽きようとする時に行う懸命の表現は人の心を打つ。それは死刑で死ぬ場合にも。この曲はその場面を主人公の心情に肉薄して描いている。
「母さん とうとう来週の水曜日だよ
母さん とうとう法律に僕消される」
#罪と罰の歌10選 ②
さだまさし「償い」 ('82)
過失の自動車事故で相手側の男性を死なせてしまった男の物語。実話ならではのディテールの濃やかさがあり、人間の性さがや業ごうが描けている。
「償いきれるはずもないがせめてもと
毎月あの人に仕送りをしている」
#罪と罰の歌10選③
Michael Jackson「Smooth Criminal」 ('88)
曲名は「手際良い犯罪者」とかそういった意味。犯罪者のような危うさとMJならではのセクシーな歌唱が掛け合わさって至極。MVは予算をかけた豪華な作りで、80年代MTVの総決算ともいえる。MJのダンスに刮目せよ!
#罪と罰の歌10選④
椎名林檎「罪と罰 」('00)
曲名は、曲主人公の欲望(罪)と、つれない"あなた"(罰)という由来でしょうか。
「確信出来る現在だけ重ねて
あたしの名前をちゃんと呼んで
身体を触って必要なのは是だけ認めて」
この刹那な歌詞に甘やかな欲望を感じる。
#罪と罰の歌10選⑤
神聖かまってちゃん「犯罪者予備君」('14)
曲の主人公である攻撃的な犯罪者予備君にリスナーの自分を重ね合わせ、日頃のうっぷんを解消できる。犯罪はやってはいけないことだけど、想像の中では僕らはどこまでも自由だ。
「深呼吸を」のパートが好きです。
#罪と罰の歌10選⑥
Queen「Bohemian Rhapsody」('75)
人を殺した男の物語。「ママー」という母への呼びかけに悲痛な罪悪感がにじむ。
ラプソディとは、異なる曲調のパートをメドレーのようにつなぐこと。
古典のプログレッシブロック顔負けの鮮やかな場面転換に華がある。
#罪と罰の歌10選⑦
うみのて「WORDS KILL PEOPLE」('13)
言葉の暴力によって人が死ぬ。それはまさに言葉による殺人。言葉には言霊があり、凶器にも薬にもなる不思議な力がある。曲終盤の「光のように」からのくだりに言霊の暴力のしがらみを昇華する自由な魂を感じてほしい。
#罪と罰の歌10選⑧
Kimonos「Soundtrack To Murder」('10)
向井秀徳とLEO今井による二人組の曲。かつてその地で行われていたように現代でも殺し合い(murder)が始まる。向井の歌唱には殺し合いのような生臭さがあり、今井歌唱のサビがクールに突き抜けて爽快。ダブの要素もグッド。
#罪と罰の歌10選⑨
マネスキン「MARK CHAPMAN」 ('23)
イタリアの新進バンドによる曲。曲名のマーク・チャップマンとは、ロックの象徴的存在であるジョン・レノンを射殺した犯人。猟奇的な響きのギターが、感情がない殺人者の気持ちを代弁してるかのよう。
#罪と罰の歌10選⑩
Mr.Children「タガタメ」 ('04)
「子供らを被害者に 加害者にもせずに
この街で暮らすため まず何をすべきだろう?」
いじめから戦争まで歌の射程が広がっていくミスチル渾身の歌。力強い歌唱で歌われるささやかな祈りが全ての子供と大人に届いてほしい。
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以上です。軽快な曲から深刻な曲まで、様々な10曲でした。個人的には、お時間がない場合でもミドリカワ書房、うみのて、ミスチルの3曲だけはぜひ聴いていただきたいですね。歌に力があります。
さて、今回の記事は面白かったですか?「面白い」といっても、funnyではなくinterestingの「面白い」です。笑うわけにはいかない、命をテーマとした曲もあるしね…
というわけで、次回の連載をお楽しみに!