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Radioheadの全アルバムを一言レビュー

1st『Pablo Honey』(1993年)

「Anyone Can Play Guitar」で歌われているとおり、ギターは誰でも弾けて、それ以上の意味はないのかもしれない。だが僕は、意味はなくても、シューゲイザーやオルタナ・グランジの音作りを自由に行き来する本作のギターサウンドに込められた熱に浮かされてしまうのだ。


2nd『The Bends』(1995年)

1stの名曲「Creep」ほどではないが、美メロの応酬が胸に迫るアルバム。美メロを聴きながら、美しい夢(Nice Dream)を見よう。叙情的ギターロックは本作で一つの完成を見る。「彼らは2ndまでだ」と言う人もいるくらい、3rdからは音楽的に複雑に入り組んだ別物になっていく。


3rd『OK Computer』(1997年)

トリップポップと電子音楽からの影響を近未来をイメージさせる音としてギターロックに落とし込んだ意欲作。2ndまでよりも実験的な作風になっているが、曲の良さは変わっていない。近未来的な寒々とした音像の中で、美メロを歌うトムの歌声が人間的な温かさを感じさせる。


4th『Kid A』(2000年)

電子音楽を大胆にロックに取り入れた実験的で難解な作風から、商業的自殺とまで音楽業界から言われた衝撃のアルバム。革新性という点では最左翼だし、音楽的エゴ:大衆性=10:1という点では最右翼の作品だ。しかし、大衆性がないのにも関わらず、多額のセールスを記録したのは特筆すべきところだ。


5th『Amnesiac』(2001年)

『Kid A』と同時期に製作されたアルバム。「ロックンロール」から「ロール」を抜いて純度100%のロックにしたらこうなる。この作品には、ロールが全くない。電子音楽やジャズなどの他ジャンルの音とロックをシリアスにコラージュした陰鬱でいびつな音像に心をロックされろ。


6th『Hail To The Thief』(2003年)

前作までから一転、バンドサウンドに回帰した作品。世間では本作の評価は低いようだが、僕は好きだ。独特の緊張感を孕みつつスリリングな展開をするのが良い。特にオープナーの「2+2=5」で急に曲の風景が切り替わって激しくなる展開はまさにスペクタクルだ。


7th『In Rainbows』(2007年)

彼ら特有の鬱成分がすっきり削ぎ落とされ、ハイテクニックでハイファイな明るい音像が視界を七色に開けさせる。彼らの美メロと肉感的なビートを鬱になることなく聴くことができるこのアルバムはかなり好きだ。滑らかな高音のメロディがリスナーの心を癒してくれる。


8th『The King Of Limbs』(2011年)

『Kid A』をもう一度やろうとしたが、『Kid A』ほどの衝撃はない失敗作のように聴こえる。全体的にダルい展開に聴いていられなくなる。しかし、注意深く聴けば、ブレイクビーツ的意匠を取り入れた曲など、ビートに革新性があることが分かる。


9th『A Moon Shaped Pool』(2016年)

トムの元妻レイチェルが亡くなることを予期してアルバムが作られたに違いない要素がいくつもある。ビート感を薄くしたのは、悲しみに暮れて沈み行く心を表現するためだろう。実験性だけではなく、曲の良さも兼ね備えていて、実験性のみだった前作よりも断然好きだ。


歌ものが好きな方には、1st『Pablo Honey』に収録された稀代の名曲「Creep」を聴いてほしい。2nd『The Bends』も歌ものの良曲揃いなのでぜひ。音楽で冒険したい方にはギターロックの金字塔3rd『OK Computer』かポストロックの嚆矢4th『Kid A』をお勧めします。

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