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長く待たせて申し訳ありませんでした
女の子だった分俺に出来ることはほぼ無かった。
事実着替え等も妹の碧に任せてしまったし。
唯一俺に出来ることはとりあえず客間に寝かせてからの看病と言う名の見守りだけ。
見守りを始めて二時間そっちにほど経ったころ。
「ん……」
「気づいたか?」
「え、えーと、どちら様で?あとここは?」
「俺は風間湊。んで、ここは俺の家だよ。お前が倒れててな、放置するわけにもいかず連れてきた。」
「それはご丁寧にどうもッス。」
「お前、名前は?」
「あ、自分は栞というッス」
普通に日本人っぽい名前だな。
「名字は?」
「無いッスよ。」
「マジで?」
「マジで」
無いのか。
嘘か本当か判断に困るが嘘のようには見えない。
訳有りっぽいな。
それはそうと気になることもある。
「幾つか聞いてもいいか?」
「?」
「まぁ、話したくなければ話さなくても良い。お前は一体何者なんだ?」
「何者とは?」
「あんな所で倒れていて、身体は傷一つ無いのに着ていた服はボロボロで血まみれ。明らかに普通じゃない」
「普通じゃないと思ったのなら何で拾ったんだと思わなくもないッスけど……。話せない訳じゃないッスよ。ただ、信じて貰えるかどうか……」
ホントに何か訳有りっぽいな。
「教えてくれ」
「自分は、未来から来たッス」
予想以上に凄いこといってきた。
「なるほど…未来か」
「え、信じるンスか!?」
「まぁ、少なくともここで嘘を言う必要性は薄い…と思う。あ、続けてくれ。」
「それで自分はミストアイランド研究所って場所で作られた強化人間って存在なンス。それでそこから逃げてきたンスよ。」
何かマジで凄い事が語られ始めたよ。
不謹慎な気もするが自分好みの世界観な感じで。
「強化人間か……。逃げてきたってのは?」
「実は自分、失敗作でして。処分されそうになったンスけど死にたくなくて、それで過去に逃げてきたって訳で」
「なるほどな。強化人間ってのはどんな奴らなんだ?」
「んーと、分かりやすく説明するには………。この時代なら仮面○イダーとか無いッスか?」
まさか仮面○イダーの名前が出てくるとは
「あるな」
「そんな感じなンスよ。強化人間は怪人系と鎧系の二種類があって、普通の人間の姿からそれらに変身出来るンス。えと、自分を拾った時に何か荷物無かったッスか?」
「あぁ。これか?」
足元に置いておいた鞄を渡す
「そう。それッス。それでこれが」
なにらや鞄をあさり始め
「変身するための『ドライバー』ッス」
そこにはベルト型のアイテムが握られていた。