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雨に思う
霞のような雨の向こうに
傷ついた龍が見える
手を差し伸べ、
「お帰りなさい」
と、言いたかった
傷ついた龍を癒したかった
ただ、それだけだった
ザワザワと
バタつくような
バグっていく視界
狭い平行線の
その間の
様々な色
そして、その通信は
モノクロームになり、突然途絶えた
『命を落としたのだ』
それだけが、分かり
号泣する
『あぁ、去った、去ったのだ』
と、それだけは理解した
あらん限りの号泣を
言葉にできぬ慟哭を
忘れ得ぬ、喪失感を
心に決めて
立つ