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サラと私

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やり直してます

今まで見ていたものが遠ざかり、見慣れた景色が戻った

「…感情を露わにすることは、褒められることではありませんよ…」

修行中の巫女たちを教育する側の巫女であるサラに注意される

「失礼しました」

「ミロク、私たちの感情の動き、表情のひとつ、それぞれに意味を持たせる結果になる場合があります。

それは、政治のコマとして利用される事もあるのですよ。」

「分かります」

「今、あなたはまだ幼い姿をしていますが、巫女の中に稀に現れる前世の記憶を持つものです。あなたの中には、人の何倍もの時間が眠っている…ということですよ」

「ひとつの前世以外の記憶も思い出す、ということですか?」

私たちは修行ゆえ、何が見えたかは教育係にも、多分その上の、

私のあずかり知らぬ人たちにも、知られているはずだ


でも、芙蓉以外の…そして、芙蓉ともミロクとも違う、私の知識の基となっている記憶…私はまだ、それをつかみきれていない

「その可能性は、あなたに限って言えばとても高いでしょうね」

「全ての巫女が持つものではなかったのですか?」


前世を見るための瞑想…


芙蓉の短い人生の最後、亡骸であるはずなのに記憶がある

客観的に芙蓉を見ているような記憶…

あれがもう少し長く続けば、私は朽ち果てる芙蓉を見ることになったのだろうか

死後のことなど、本当は知らなくてもいいはずだ

肉体の死と、精神がどこか別のところにいく時間差が言いようもなくなじめず

修行後、嘔吐した

周囲の目は気になったが、責められることはなく、淡々と後片付けがされ

「失礼しました」という謝る私に

「…いいえ…」と、サラは短く答えた


でも…聞きたいことを聞いてみる

「それなら、私は何なのですか?」


サラが動きを止めた

表情を変えたわけではない

見事なポーカーフェースだ


「確たるものがないまま、それに答えることはできません

ただ…」

サラは、ほんの少しだけ息をついた

「とても稀な巫女になる可能性を持つもの…そう、ひとつの可能性にすぎません」

これ以上は、多分語ってはくれないだろう

サラもまた、何かの可能性のひとつなのだろうか

私のことと同様に、サラ自身もまた確たるものを持てずにいるのだろうか


「わかりました」

思いを巡らしながら、今は私もそう答えるしかないのだろう


「ミロク、今日はもうお休みなさい」

「はい」

私は自室に戻ることになった



すみません


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