思い出したんだけど
「はぁはぁ、笑いすぎちゃったわね」
「マリア、森抜けるんだろ?なんか良い魔法とかないのか?棒を倒して向いてる先が行き先になるような魔法とか」
「そんなステッキはないけどピッタリの魔法があるわ」
「へぇ」
「いくわよ!!ミルベシチ!!」
そしてマリアから何か特別な光が出る、ことはなかった。
「なに?お前なにしたいの?」
「なんで!?手から光が出て道を示してくれるはずなのに!」
「ほんまつっかえ」
「うぅ……神界に問い合わせる……」
唯一の頼りなんだからもっとしっかりして欲しいな。
「はい……はい……えっ、なんでですか!!ちょっと、おいコラ!!」
なんか怒ってるようなんですけど……。
肩を落としてマリアがこっちを向いてきた。
「一方的に切られちゃった……」
「……で、結局なんなのか分かったか?」
「う……それが私が予約ミスしたでしょ……それのペナルティで魔法とかステータスが大幅に制限されてるようなの……」
「は?」
なにそれ、え?これゲームオーバー確実なんじゃ……。
「でも時間の経過と共に少しずつ解除されていくみたい」
「お、おう」
ちょっとーーーー!何がいるかわからないこの森でなんなのもう!
モンスターとか来たら死ぬやん、ダメじゃん。
「と、とりあえず……」
「うん」
「歩こうか、な?」
マリアが無言で頷く。モンスターが出ないことを祈ろう。うん、それしかない。
俺たちは歩きながら会話する。
「なぁマリア、俺こっちの言語とか大丈夫なのか?」
「あ、それは大丈夫よ、言語とかの方は予約の人数間違えてないみたいだしね」
「うん、じゃあ次から他の予約とかも気を付けような」
「はい」
「元気出せ、お前は必死に生きてるんだよな」
「なにそれ、なんかムカつくんですけど」
さて、どうしたものか、だいぶ歩いたはずだけど景色が全然変わらない。
「はぁ……」
そういえばあっちはどうなってるんだろうな。
学校にいた人全員が消失したもんな、大きな事件になってるんじゃないか?
母さん父さん弟、皆心配してるだろうな……。
勢いで来ちゃったけど今とんでもないことになってるんだよなぁ。
イカンイカン、ホームシックになってしまった。
そして俺はとんでもないことを思い出した。
「あ」
「どうしたの?」
「どうしよう」
「だからどうしたの?」
机の上にエロ同人誌起きっぱなしだった、どうしよう。