女神が現れたんだけど
続けて投稿!
「……」
なんだこれ。教室を出る前、皆居たよな?先生も、他の人も。
「……訳わかんね」
立ち尽くしてしまった。この後どうなるんだろう?他のクラスに居る先生に報告?どう説明すれば?それとも警察?それで俺はどうなるの?
頭の中で色々な考えがまわる。
別にこのクラスに愛着は無いが、しかしクラスが無くなったら俺はこれからどうすれば良いんだ。途方に暮れた。
「どうしようか……」
すると不意に教室の中心が光りだした。その光は今まで見たこともないような色を主張している。
「わ、わわ、な、なんだよ……!!」
その光が教室全体まで広がった。
「くっ」
余りの眩しさに目を覆った。お腹痛くなるわ、人が居なくなるわ、突然光が出てくるわ、意味不明すぎる。イベント盛り沢山すぎるわ。
そして、目を開けた。そこには……
「ふふ、まさかもう一人居たとはね」
凛とした声が響き、それはそれは大層美人な女の人が立っていた。
その女の人は高三の俺よりちょっと歳上っぽい。
俺に歳上特有の余裕のある微笑みを向けてきた。
「ぉ、どうも」
ぉ、ってなんだよ!ぉ、って!いかんいかん、美人の女の人を前に俺の童貞メンタルがぁぁぁ!
頭を抱えてる俺を見て女の人が不思議そうに首をかしげた。その際綺麗な銀髪の長い髪がさらりと揺れた。
その女の人は日本では着ないような、なんて言うのだろう、ファンタジー系のRPGに出てくる女神様のような格好をしている。
うん、怪しさ満点だな。
「お、お前誰だよ」
「んー、失礼な人ね、まずは自分から名乗るのが普通でしょ?」
こんな怪しそうな奴に「普通」って言われてもなぁ。でもなんだ、可愛いから許す。
「……悪い、俺は山田たけし」
「よろしい、私は神『マリア』!!全知全能にして世界の混沌となる──」
俺は迷わずスマホを取り出し警察に通報しようとした、てかした。
「あ、もしもし、警察ですか?えと、すみません、なんか頭のおかしい人に絡まれてて、はい、もしかしたら大量誘拐事件の犯──」
「ちょっとぉ!なにしてるのさ!やめて!通報しないで!お願いします!」
そしてマリアと名乗る女性が豊満な胸、おっぱいを揺らしながらスマホを取り上げ木端微塵に破壊した。
「あーーーー!!お前なにしてんだよ!スマホ!お前っ、なに壊してんの!?キレていい?自分、キレていいすか?」
「あんたが勝手に通報するからでしょ!」
「うるせぇ!てめーがあの訳のわからない自己紹介するからだろ!?ここに居た人が全員神隠しに遭ってる時にさぁ!」
「神隠し……?」
その女性はキョトンとして、考え込むような仕草をしてからこちらに顔を向けた。うむ、やはりこんな美人は見たことねぇな。可愛い。おっぱい。
「神隠し……じゃなくて、皆別の世界に転移したのよ」
はい?
誰か、通訳頼みます。