いや、誰も居ないんだけど
初投稿!
俺は山田たけし、現在高校三年生の17歳だ。
お腹痛い……。
「先生、ちょっとお腹痛いんでトイレ行ってきます」
起立して学校特有のスライド式ドアに向かう。その間クラスの視線を背に感じながらも、俺はけっして臆せずにただ、前を向いて歩いた……かっこいい。
教室から出て、この三年生になってからの学校生活の生きづらさを心の中で愚痴る。
「クラス替えさえなければ……友達も沢山居たんだよ、そうだよ」
本当のことを言うとクラス替えする前から友達居ません、ハイ。ちょっとミスったんだよ、色々と……。俺は別にコミュ障でもないからな?
この生きづらい生活のストレスが原因なのかわからないが、最近すぐお腹が痛くなる。
「はぁ……」
トイレに着いて便座に腰を下ろす。ずっとこのトイレにいたい。
しかし現実は非情だよ、まったく。あっという間に出たさ。快便だよ、快便。水を流してトイレを後にする。
教室の前に着いた。やけに静かだ。こんな静かな状態の教室に今から入るのかよ。これあれか、わざと静かにして俺が入ってきた時皆で晒し者にするんだろ、そうだろ、罠だろ。
「すぅーーーーはぁーーーー」
罠だとわかっていても、俺は行かなきゃいけない。そう、罠だと俺はわかっているんだ、相手の手の内は読めてる。
ふっ、勢いよく開けてやんよ。
そして小心者の俺はドアに手を掛け静かに開けた。
教室と廊下にその音が響く。
「……は?」
目の前に起こっていることに俺は絶句した。
これは一体どうなっているんだ?
「なんで、誰も居ないんだ……?」
俺のクラス、三年一組の教室には、誰も居なかった。