昔話
むかーしむかし、あるところに、お爺さんとお婆さんとボディービルダーが住んでいました。
お爺さんは山へ芝刈りに、お婆さんは川へ洗濯に、ボディービルダーは村の子供たちの育成に取り組みました。
「はーい今日は主に大胸筋を鍛えるよー!アイッ1・2・3・4…」
子供たちの元気な声が青空に響きます。
「…お~い筋太郎やぁ~い」
遠くから、お婆さんの呼ぶ声が聞こえてきました。私は子供たちに息を吐きながらやるよう指示しつつ、お婆さんに向き合いました。
「どうしました?お婆さん」
「川上から桃が流れてきたんじゃが、重うて重うて…」
「なんと、それはいけない。どれ私の躍動する筋肉たちにお任せください!」
「筋太郎~俺達はどうすんのさ~?」
子供たちには悪いのですが、今日のメニューは早々に切り上げることにします。私は丹精込めて作った『きな粉プロテインだんご』を子供たちに配りました。
「それではお婆さん、行きましょう!」
「あいあい、こっちじゃよ」
「………ぼく、桃から生まれた桃太r…あなた誰ッ!?」
「私ですか?私は筋太郎といいますよ」
日焼けしたボディに映える、白い歯が光ります。
「出る昔話間違えた!?」
めでたしめでたしノシ