なんか思いついたの
「さて…
ここは眠れぬ子羊達の集う場所。天使の歌声、オルガンのレクイエム響く………
ファッキン戦場だゴラ゛ァアアアッッ!!」
死。
朝方トラックに跳ねられ死んだ私は、顔だけ美人な金髪天使に胸ぐら掴みあげられ宙吊られ、あれよあれよと雲の上に引きずり込まれた。
そして、目の前にあるのは戦場。銃弾こそ飛び交っていないものの、鎧着こんだ大男どもが大剣掲げて怒声を張り上げぶつかり合っている、まごうことなき戦場だ。
「……で?」
「あぁん?」
私の問いに、天使は眉間にシワを寄せてメンチを切った。
「『で』ってなんだぁ?ファッキン魂」
天使というより、ヤンキーだな。
「死人はみんなここに来るのか?」
戦場を見ながら天使に聞く。
「うんにゃ、ここに連れてくんのは戦士の素質があるやつだけだ」
なるほど。
「あんた、ヴァルキリーか」
北欧神話の女神。ラグナロクと呼ばれる最終戦争に使うため、死者の魂を集める存在だ。
「偉そうな口聞きやがるじゃねぇかクソファック…」
女神は口元を歪めて邪悪に笑った。なにか嬉しいことでもあったか?
「トラックに跳ねられ四日間、昏睡状態に耐えてやがったから『見込みあり』で連れてきたが…」
即死じゃなかったのか。
「そこんとこはどうでもいいんだよ」
「そうか?」
「そうよ!要は生にしがみつくど根性!!戦士に必要なのは、最期まで諦めねぇ根性だ!!テメェにはそれがあるっ!!さらに戦場を前に冷静にいられる肝っ玉!!女神にタメ口きく度胸!!気に入ったぜぇっ!!」
女神は【バンバン】と、私の背中を叩きながら豪快に笑い飛ばす。な、か、な、か、痛いぞ。
「…あ~らフィミリアさん?殿方に対してそのようなお言葉使い、お下品でしてよ?」
背後から女性に声をかけられる。黒髪をなびかせ微笑をたたえた、THE・清楚としかいいようのない女性だった。
「うっげ…リアーム」
女性を見た女神は露骨に嫌そうな顔をしていた。顔見知りだろうか?いや、そんなことより気になることがある。
「…フィミリア?」
「……俺の名前だようっせーな悪いかヴォケ!!」
ヤンキー女神…フィミリアは怒鳴り散らす。いい名前だと思うが。
「うっせゴラァアアッッッ!!!!」
よくわからんが、怒鳴られた。すまん。
「あ~~らあら~♪」
フィミリアの顔を見て、リアームと呼ばれた清楚が小動物を見つけた猫のような目付きになった。
「フィミリアさんったらぁ~♪私の思っている以上に乙女でしたのねぇ~~~?」
「ハァアアアアっ!?うっせ意味わかんねぇファッキン〇ッチ!!ファッキンノーパン〇ッチ!!」
「誰がノーパンですかこの〇イパン!!」
「生えてるわ!!きっちり生え揃ってるわ!!」
待てやめろ男の前で変な言い合い始めるな…
「「うっせぇええっ男はすっこんでろ!!」」
オチませんでしたとさ、めでたしめでたしノシ
……てか、俺達ほったらかし?by戦士一同