9.伊坂なな
現在放課後ついさっきまでルンルン気分で軽くスキップしてました、はい。
あれ? なんで空き教室にこの人といる訳?
まさか! お礼言わないでタオル机の上に置きっぱなしにしたの怒ってるのか。
染めてない黒髪からのぞく瞳が私を見ているのは間違いない。
「鷹司潮、サッカー部に入ってる。柳原とはダチ」
なになに、自己紹介始まったの。なぜ故に?
開いた口が塞がらない。
「伊坂ななさん、俺と友達になってください」
はっ?!
誰かと間違ってない? 桜葉リリアさんとかさ。
なんで名前知ってるの。しかも、真顔で友達なろう宣言ははつの経験だよ。
「伊坂ななです。鷹司さんの友達の柳原の友達の友達です」
ぐだぐだな自己紹介だな。そんなの自分が一番良くわかってるけど、緊張してるの。
どう答えれば正解なのかわからないし。せっかく友達なろう宣言してくれたんだし、友達に位なってもいいんじゃない?
そこから先を望まなければ。
「あの、鷹司さん私とお友達になってください」
多分、この恋とよんでいいのかわからない思いが実らなくても。
私は今この時を忘れない。
「あぁ、よろしくなな」
くしゃりと照れたように笑う彼はゲームのヒロインに向けていたそれだ。
まさか自分に向けられるとは。
なんだかんだで鷹司さん……じゃなくて、鷹司くん(同級生のはずだって言われました。)も柳原とアイスを食べに行く予定だそうなので一緒にアイス屋さんに向かいました。
あーちゃんと柳原が痴話喧嘩をして、私も二人みたいな関係になれるかな? と淡い期待を抱いてしまいました。
「ななちゃん遅いよー! これもこれも夏のせいだー!! 」
柳原、あーちゃんに何をしたんだ。




