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22.1年サッカー部員

絶対に風呂場では話すな。先輩方に言われた意味はすぐにわかった。


『リリアちゃんのお肌すべすべだねー』


『そんな風に言われると照れちゃいます』


男風呂に聞こえるはずのないソプラノが響き渡った。この声は看板マネの桜葉さんとエース夏の幼馴染み水無月さんの声だ。夏はこの意図に気付き声をあげようとしたが、先輩三人がかりでとめに入った。

同じくエースの潮は何処吹く風。黙々髪を洗ってる。


『伊坂さん元気無いけど大丈夫ですか?』


あ、潮がやっと興味を持った。髪洗うてを止めた。


『もう駄目です』


『歯の浮く言葉を流すコツを伝授して下さい』


これには大半の部員が吹き出すのをこらえた。だが、あの先輩がまさかの行動に出た。


「風呂場では恋話してんじゃねーぞ、なな助」


夏は暴れるのを止め、ある一転を見つめていた。他の部員は奇行に走った先輩を見ていた。


『いつ私が恋話したんですか』


「俺に乗り換えることにしたんだな」


誰もが内心思った。副部長、風呂場で準告白しやがった。だが、怒りをメラメラと燃やす一人とひやひや見守るやつ一人。

俺は目撃してしまったんだ。桶を先輩にむけて、投げようとしてそれを止めようとしてる夏を。潮は投げたけど。伊坂さんの恋路は大変そうだ。勿論、副部長の悲鳴がきこえた。


「おい、誰だよ。桶投げたやつ」


御愁傷様です。副部長。

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