2.伊坂なな
私の家族はとても温かかった。玲子お母さんと真守お父さん。久しぶりの家族に少し涙が出たのは内緒だ。
ともあれ、無事に入学式も終わり現在自教室。
一人だけオーラ放ってる女の子がいる訳ですよ。名前は桜葉リリア。なんでも帰国子女で英語堪能。ハーフだもんね。知ってるよ! 何年やり込んだと思ってんだこのゲーム。
「先生ー! 遅刻しました。ごめんなー」
でた、攻略キャラ1柳原夏。クラスに一人はいる元気系おバカ? 太陽に透かすとオレンジ色になる茶髪、校則違反ではないのか……じゃなくて。
ホームルーム中に乱入してくる馬鹿にあぁ、やっぱりゲームか。なんて思ってしまう。
「入学式に遅刻は無いだろうが! 」
「ごめんねーつよぽん」
あー。仲いいねさすが、そのまま上がり組。この学園中等部からエスカレーター式に上がってくる子が大半。高校から入ってくる割合は極めて少ない。現にこのクラスには私とリリアさんしかいないのだ。
「はぁ、席につけ夏」
「はーい」
彼はそう言ってリリアさんの隣に座る。すかさず私は心の中で思いっきりガッツポーズ。少し顔がニタニタしてないか心配だ。
でも、しょうが無いじゃない!
美男美女が隣同士なんて目の保養この上ない。このクラス最高かもしれない。
「よろしくなー」
「えっ、あ、うん。よろしく柳原くん」
鼻血でそう。出ないけどな。
二人の間にはこうふわふわして癒やされるオーラがいい!
「まぁ、大体の奴が顔見知りだこれから三年間有意義に過ごせ」
なんだかんだで《伊坂なな》の人生が始まった。