19.伊坂なな
目の前に広がるじゃがいもの山。あーちゃんといる時くらい、この馬鹿さかげんなんとかならないかなー。なんか、あーちゃんも私に慣れてきた感でてきたし。スライディング土下座で反省を表したら、少し笑われた。まぁ、笑ってくれてるのなら良しとしよう。
だって私は単純の単細胞だからね。田中くんは今頃なにしてるのかな? きっと、情報館で読書してるんだろうなー。お姉様方にナンパでもされてろー!
八つ当たりなのかこれは?
あっ、また自分の世界に入ってしまった。あーちゃんにたまにはお話ししてほしいと言われたんだ!
そして、私もその予定だったのにー。
「あーちゃんって、柳原と仲良いよね」
「夏とー?幼馴染だからかな」
人参をすらすらと剥きながら私との会話を続ける。
私も程々に見習わないと。
あ、柳原が鷹司くんにパスをして鷹司くんがゴール。リアル青春ハイタッチご馳走様です。
そっと、視線を隣に移すと柔らかい笑みで2人を見ている女神様が。
あーちゃんにとって、柳原って何なんだろうかな。
幼馴染兼好きな人?
「顔に人参の皮がついてるよ」
「え。あ、ほんとだ」
顔に人参の皮……どうしてそんなとこにくっつけたんだ自分。
「次は玉ねぎの皮をとって、きってくれる?私は他の野菜を一口大にするから」
「はーい」
さすがあーちゃん手慣れてる。
言われた通り玉ねぎの調理にかかるが涙が。これはサッカー部員とリリアさんに美味しい夕食を食べてもらう試練だ! っと勝手に意気込み頑張りました。あーちゃんと頑張った結果予定より1時間以上残して夕食完成!
あれ? あーちゃんとの友情深まったか?
やってしまったー。最近、本来の目的忘れてる。
……夕食の時間まで自由時間となったが、あーちゃんは見失いぼっちで練習風景見学しています。
若干カレー臭いのは許して下さい。頑張った結果です。
にしても、リリアさん。何故あなたは日焼けをせず真っ白な雪色お肌なんだ!
これも、ヒロインの肌は焼けない設定なんですか!
それなら私にも同じ設定下さい。切実に願います。
先輩部員がリリアさんと何か話している。おい、モブ先輩。私が言えた口じゃないが攻略対象とのイベントだけは邪魔するでないぞ!
イベントは貴重なんだと言うことは判明しているんだからな!
なんて、馬鹿みたいな事を考えてたら誰かがグランドから私がいる坂の上まで来ていた。
「この時期でも帽子被ってないと熱中症になる」
そう言って頭に見覚えのあるタオルをかけられた。そして、この光景も見覚えがある。
「あ、ありがとう。鷹司くん練習頑張って」
あぁ、そう言って来た道を駆け足で戻って行った鷹司くん。周りをよく見てるなー尊敬。
私は勿論知らない。
グランドでリリアさん含むチームメイトにどやされていた事。




