18.水無月葵
「ななちゃん。おーい」
「……」
合宿所の調理室にて。このやり取りをする事6回。黙々とじゃがいもを剥き続けるななちゃん。集中力がすごい。ななちゃんって結構の熱中型の頑張り屋さんなんだな。
この調理室外の練習グランドが丸見えで。話し相手がいないと自然と見ちゃうだよなー。
はぁ。私もななちゃん見たいに集中しなくちゃ。
あ、リリアちゃんと夏が話してる。顔赤いな夏。何話してんだろ。私もリリアちゃん見たいに素直になったら私に夏は振り向いてくれるんだろうか……。
全然集中出来てないし私。
「ななちゃん。お……ななちゃん! 」
諦めずにななちゃんにいつも通りスルー覚悟で話しかけようとしたら、とうとうボールからじゃがいもが溢れてた。
思わず叫んでしまった。
「どーしたの? っ! 」
さすがに反応してくれたななちゃん。じゃがいも散乱に気付き声にならない悲鳴が聞こえた。
「大丈夫だよ。ななちゃん!今日はカレーだから」
「ごめん、あーちゃん!! 邪念を追い払うべくじゃがいもの皮剥きに全神経を…… 」
ななちゃんはおっちょこちょいでちょとお馬鹿。でも、そんなななちゃんがいるから笑顔が絶えない。笑いが絶えない。
「今度は人参の皮剥きだよ! たまにはお話ししようね」
そう言うと土下座の勢いで謝ってきた。
思わず笑ってしまったのは内緒だ。
遅くなってすみません。
ひとまず落ち着いたので頑張ります!




