5話
解放された俺はすぐ家に向かった
途中何故か通行止めもあって時間がかかったがなんとか家に着いた
「あ、兄さん!大丈夫だった?」
「ああ。なんとかな。」
「よかった。」
テレビではさっき戦った場所が映っていた
なんでも、三匹も出たワーム(昆虫、芋虫、蜘蛛など)が一瞬にして消滅したとのこと
また、同時刻街を破壊するテロがあったらしい
なんとも怖い世の中だ
「テロだって…危ないね。」
「まったくだ。まあ、そのおかげで俺の春休みは長くなって睡眠時間も増えるからいいんだけどな〜。」
「春休みが長くなる分他の長期休暇が減るって聞いたよ。」
「まったく。誰だテロなんてした奴は!」
「兄さん…。」
亮のこちらを飽きれた目で見てくる
何か言い返そうとした時チャイムが鳴った
母親が玄関に行き、何か話しているみたいだ
なんか、声のトーンが上がってきた
玄関に続くドアが開けられそこから現れたのは黒髪をポニーテールにしてかっこいいって感じの女性だ
ついでに刀もつけてる
刀も………かたな?
やべー!この人刀持ってるよ!
隣の亮も驚いてる
「静流先生、なんでここに…?」
「へ?先生?」
「うん。戦闘授業の先生。」
「へ、へー。まあ、そんな感じするわ。うん。」
「それは暗に私が戦闘ばっかりしていて、戦闘狂で、脳筋で単細胞と言いたいのか?」
「いや、そこまでは言ってませんが。」
「まあ、いい。それより、武尊薫お前にはテロの疑惑がかかっている。私とともに来てもらおう。」
「は!?いや、テロって。え!?なんで?」
「貴様、街を破壊しただろ。そうでなくても最後まであそこの近くに留まっていたなら何か目撃しているはずだ。」
「えーと、ナニモシリマセン?」
「私に聞かれても困る。だが、学生3人の証言によるとお前はそいつらを逃がすために最後まで残ったはずだ。」
「テロなんてしてませんよ。」
「ほー、それで何をしたんだ?そこを詳しく聞きたいな。」
「いいでしょう。俺は確かに3人を逃がすためにおの怪物を引きつけるためにあの場にいました。するとなんと天から天使が来ましてね。一気にこう、ドーンとやっつけてくれたんですよ!」
「そうか、お前は悪い奴ではないと。」
静流先生は真面目な顔で聞いてくる
「はい。」
「テロなんかしてないと。」
「はい。」
「なるほど、わかった。」
俺は内心ドキドキだ
テロと言われてるのは俺が使った魔術でおきた街破壊であったため
「だが、嘘はよくないぞ。」
「え、う、嘘だなんて。」
「だって貴様は破壊しただろ?街中の道路と建物。ちゃんと衛生カメラに映っている。天使は映ってなかったな。」
撮ってたんなら先に言えよ!
恥かいちゃったじゃんよ!
つーか、それならあの怪物倒すためにやったことで正当防衛だってわかんだろ!
などという心の叫びはぐっと抑えてひとまずどうしようか思案する
「あの、待ってください。兄さん…兄は僕みたいに英雄の前世を持ってないんです。なのに、どうやって街を破壊したんですか?」
「む、私もそれは気になっていた。それで、どうやったんだ?」
あれ?
これチャンスじゃね?
ここで一気に畳み掛ければ…
「だから、天使がバーってやってくれたんですよ!」
「さっきと音が違うようだが…、まあそれより天使の姿など映っていなかったと言っただろう。」
「多分、天使は映らないんですよ!」
「いや、天使もカメラに映るぞ。」
「えーと、あれですよ。多分カメラに映らないような魔法とか使ってたんですよ!」
「ふむ、私は天使の友人が幾人かいるのだが聞いたことないな。それに人には見えるのにカメラに映らない魔法なんて、なんで面倒いの使うの?それなら見えなく誰からも見えなくなる魔法の方がよくない?」
頬を汗が流れる
これはとてもやばい
テロ犯として死刑!?
結局、つれてかれました
唯一の救いと言えば、亮がついてきてくれたことだろう
外が見えない車が止まった
ここからは亮もついていけないらしい
何故か目隠しをされて、連行される
まさかの即処刑なんでしょうか?
そのまま数分間歩かされ木製のドアが開く音が聞こえる
あの、ギギーって感じの音だ
中に入るよう言われ、ドアが閉まる音が聞こえた
少しすると目隠しもとってくれた
そこは、一言で言えば豪華と言った場所だった
うん、金かかってんなー
そんななか俺の目の前にある大きな机、その奥に少女がいる
俺を連れてきた静流先生もその子の横に立つ
「学園長、例の人物を連れてきました。」
「うむ。」
「……このロリっ子が学園長だってー!」
「うむ、いかにも私が学園長だ。お主も弟の入学式を見に来てたならわかるだろう?」
このお子様は笑いながら首を傾げて聞いてくる
しかも、身長140ちょいしかないくせに奥に行くほど段になって高さが上がっているため上から見下ろす感じになっている
「それで、本題なのだがお主輪廻第一学園に入る気はないか?」