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私と私の出会い 壱




 普通の世界で、私は立っていた。

 世界は消えた。

 私は奈落の底におちて―、その時、手を差し伸べたのは、私だった。


第壱界 私


 朝、普通の一軒家の普通の部屋の中で遙はベッドの中で安らかに眠っていた。


外からは鳥が鳴く声が聞こえて、その数秒後にけたたましい目覚ましのベルが鳴り響く。

 遙はベッドからゆっくりと起き上がり、目覚ましを止める。少し動きを止めて、今日の夢を振り返る。

(変な夢だったな…、正夢じゃないよね)

 苦笑しながらもゆったりとベッドから這い出る。その動きはまるでナマケモノを思わせた。

 遙は身支度を済ませた後、テレビを見ながら朝食をとった。

「今日の天気は雲ひとつ無い晴れの予報がででいます…」

 お天気アナウンサーの声が家の中で虚しく響く。

 朝食の片付けをしてから、鞄を手に取り玄関へ向かう。

家を出る前に玄関の靴箱に取り付けられている鏡で服装の乱れを確認する。

 ぱっつんの前髪に背中ぐらいまである茶髪に、平均的なフェイスとスタイル。

 制服は一般的なセーラー服の黒いバージョン。


 特に乱れは無いため、家を出た。


 鍵を穴に指し、回す。

 ガチャ、と鍵がしまった途端―。


 突如、耳鳴りのような音が聞こえた。とても不快で、辛い音。手で耳を塞ぐものの、意図も簡単にすり抜けていく。

 嫌な予感がした。

(嘘でしょ…)

  それが数分間鳴り響き―、まるで何もなかったのごとく、ピタリと止んだ。

 遙は憔悴のため息をついて、ドアに寄りかかって、へたりこんでしまった。

 その時、遙はふと何か異変を感じた。

 「なんだろう…」

 そして気づいた。影だ。 今日は晴天の空なのに、こんな大きな雲が出てくるはずがない。

 見上げてはいけない―。

 遙の本能が、そう告げていた。

 しかし、好奇心に負けてしまい、上を見上げた。



 そこにはあり得ないものが―空いていた。

 空の一部がまるで口のごとく、大きく裂けて太陽の光を飲み込んでいた。

 避けた中からは光沢の無い影が見え、それが光を飲み込んでいるようにも思えた。

 その避けた中から何かが飛んで出てきた。

 人だということがかろうじて分かる位で、それが空を滑空しながら、何かを投げていた。

 次の瞬間―、

爆破爆破爆破爆破爆破爆破爆破爆破爆破爆破爆破爆破爆破爆破爆破爆破爆破爆破爆破爆破爆破爆破爆破爆破爆破爆破爆破爆破爆破爆破爆破爆破爆破爆破爆破爆破爆破爆破音が鳴り響く。

 遙はゆっくりと立ち上がり、周囲を見渡した。

 炎も上がっていない。家が崩壊したわけでもない。

 みんな、ぽっかり無くなっていた。

 半球体のような穴があちらこちらにクレーターのように空いていた。

高層ビルは抉り取られたかのような傷跡を示した。

 遙にはなにも理解ができなかった。

 どんなに脳をフル回転させても分からなかった。

 なにがなんだか分からず遙は歩いた。

 やがて走って―、現実から逃げるかのように走って。

 着いた先は学校であった。

 何故ここに着いたのかはわからなかった。

 ただ、人を求めて、夢だよと笑い飛ばしてくれる人を求めて―。

 足を一歩踏み出した途端、爆破。

 消えた。

 わずかに靴の先が抉りとられた。

 膝から崩れ落ち、同時に半球体のクレーターに転がり落ちた。やがて球体の一番下まで落ちたときには仰向けの状態になっていた。

 遙はやっと理解した。何もかもが無くなってしまったのだと―。

 家族も、友達も、みんなみんな消えてしまったのだと―。

 遙は延々と泣いた。誰もいない空間で、大きく叫びながら、泣いた。

 誰かに気づいてほしいために―。




 「おい、泣き虫」

 声が聞こえた。

 遙はピタリと泣き止んだ。

 「生きてるよな」

 安堵と同時に驚きを感じた。

 「今、そっちに行くぞ」

 滑り落ちる音がする。


 でもあり得ない。

 あり得ない。

 だって―

 私の声が聞こえるなんて―。

 滑り落ちる音が止む。

 恐る恐る振り返ると、そこには―、


 「立てよ、オレ」

 ―私がいた。

はじめまして阿修羅です

読んでくれた方には感謝を(^∧^)

時間がなくて短く終わってしまいましたが、サブタイトルに「壱」ってついてましたよね

て訳で三編位に分けて進みますのでそこはよろしくです(^^)

読んでくださった方からのメッセージ(誤字やクレーム)はいつでも受け付けますwww

ではまた次界(次回)

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