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5話です。また名前出せなかった…orz

こちらの問いかけに対し鈴風さんはゆっくりと口を開く。

「僕は鈴風…それ以外に言いようがないし、説明する時間が今は惜しい。本当に時間がないんだ…だから君にこの夢について語ることはできない。怪我を治せたのはこれが夢だからってことにしておいて欲しい。あと…僕は君の敵ではないよ?」

真剣な瞳でそう告げる鈴風さんは、まるでこちらの心情が見えているかのようだ。

嘘をついているようには見えないけど…信じるにはまだ早い。

というのが今のところ妥当だろう。

黙っていると鈴風さんがさらに言う。

「今は信じてもらえるとは思ってないよ。でも覚えておいて…僕は君の敵ではないってこと」

どこか寂しそうな瞳に思わずわかったと頷いてしまった。

べつに何気ないそれに鈴風さんはとても嬉しいと溢れんばかりの笑顔を見せるものだから何だか心苦しい…

「それじゃ、そろそろ君は起きなきゃね…あっその前にこれ」

はいと差し出されたのは二つ折りにされた紙片。

受け取りなかを確認すると090から始まる11桁の番号が書かれていた。さらにその下にはメールアドレスと思われるアルファベットの羅列が見られる。

「なんですかこれ…?」

疑問を口にすれば思いもよらぬ返答が帰ってくる。

「僕の連絡先」

「そうですか…ってえ!?」

なんで連絡先!?これって夢だよね?現実じゃないのになんで連絡先が??て言うか鈴風なる人物は現実に存在するの!?

明らかに狼狽しだしたのが伝わったのだろう、鈴風さんは困ったように肩をすくめてみせる。

「一応言っておくけど僕は君の夢が造り出した幻ではないよ?ちゃんと生きてる人間だから…そこのところヨロシクね?」

「いや…もう突っ込むのも面倒なんで…それでいいです…」

正直、いろいろ突っ込みたい…そもそも連絡先渡されてもこれ夢だし、起きた時に紙ないから連絡先わからないじゃん…まさか覚えろってことですか?

頭の中でぐるぐる考えつつもう口にだす気力がない…いいかげん疲れてきた。

貰った紙片を二つ折りに戻しスラックスのポケットに仕舞い込む。覚えてないけどもういいや…

「まぁ…信じられるわけないだろうけど、起きたら嫌でも信じる気になるよ」

どうしてそんなことが言えるんだ?と思いつつ聞くのも面倒だと溜息をつく。そんなことより先に目覚めることが重要だろう…

「はぁ…そういえば、どうやったら目が覚めるんですか?」

もういい加減、こんな夢から早く目覚めたいんですと割と真剣に伝えると鈴風さんはにっこりと笑い目を閉じるように促した。そして温かい手に右手を握られる感触がして、ついて来てと軽く引っ張られる。

手を引かれるまま歩き出すと鈴風さんはさらに説明し始めた。

「立ち止まって僕の手が離れたら、徐々に光を感じるはずだから光を感じ始めたら3つ数えて目を開けて…そうしたら君はこの夢から目覚めてる。いつもとあまり変わらない朝が待ってるはずだよ」

だといいけど…

別に鈴風さんを疑うわけじゃないけど、本当に目が覚めているか疑ってしまう。

それに、捻挫は治してもらったが体中傷だらけで歩くだけで結構痛い。長い距離を歩くのは少々辛そうだ。一体どのくらい歩くつもりなんだろう…

「わかりました…あの、どのくらい歩きますか?」

「それほど長くは歩かないよ、そうだな…あと君の感覚で50mくらいかな」

「…思ったより短いですね、てっきりもっと歩くのかと思った」

「まぁね、本当はもっと近くにしたかったんだけど邪魔が入ったから…」

「邪魔ですか…」

「うん、邪魔」

どうやらどんな邪魔だったかは言いたくないようだ。

まぁ、今はどうでもいいか…たぶん聞いたところでどうにかなるものではないだろうし、起きれるのならもうなんだっていい。

そんなことを考えていると、ふと自分が名乗っていないことに気が付いた。今まで自身のことで手一杯だったせいで自己紹介をするタイミングを完全に見失ってしまった…

さて、どうしたものかとまた考えていると、手を引かれる感覚がなくなった。

「はい、ストップ。それじゃ手を放すよ」

そう言ってスルリと繋がれていた手が離れていく。

今が名乗る最後のチャンスだろう。

「鈴風さん、あの、」

「どうかした?」

「えっと…その、鈴風さんは名乗ったのにまだ自分が名乗ってないなって思って…」

素直に口にすれば鈴風さんがそうだったねとくすりと笑う気配がした。

「確かに君に名乗ってもらってないね、でもここでは名前は口にしない方がいいんだ」

「え?それってどうゆうことなんですか?」

意味が分からなくて問えば、困ったように言葉が返ってきた。

「う~ん、説明したいのはやまやまだけど、時間がないんだ…また今度会うとき説明するよ。ごめんね…それじゃ、またね」

そう告げられ、鈴風さんが離れていく気配がした。

きっとこれ以上尋ねても答えてはくれないな…

なんとなくそう思い、開きかけていた口を閉ざした。

「またね…か」

次に鈴風なる人物に会うのはいつニなるだろうか…

そう遠くないかなと考え思わずクスリと笑みがこぼれていたことに自分は全く気が付かなった。


読んでいただきありがとうございました! 

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