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一枚奇譚  作者: 裃 左右
11/15

今日だれも kietaI

今回はわりと反則です。

でも、ありかな、と。

 今日、あいが家に帰ったら誰も居なかった。

 母さんも、父さんも、兄ちゃんも。

 だれひとり、いなかった。

 たぶん、みんなで買い物に行ったんだろう。

 そう思った。

 すると、よるになっても誰も帰ってこなかった。

 とりあえず、母さんのケータイに電話をかけた。

 家のどこかから音がした。

 家に忘れたらしい。

 ……ケータイなのに、携帯しなかったらまったく意味がない。まぬけな話だ。

 だいぶ遅くなった。

 もしかしたら、なにかあったのかもしれない。

 でも、まだ決め付けるにも早い。

 待ったほうがいいのか。

 とは言うものの、あしたは予定がある。

 あさから、あいはともだちと遊びに行くのだ。

 しかたない、きょうは先に寝よう。きっと、あしたには帰っているだろうし。

 

 あさになっても帰ってこない。

 困った、こういう時はどうすればいいんだろう。

 とりあえず友達にれんらくして、きょうは行けないと伝えた。

 だって、それどころじゃなさそうだ。

 なにも、起きていなければいいけど。

 かってに、あいをおいて親せきの家に遊びに行っていても、べつにいい。

 きょうなら、わらって許せるぐらい心配だ。

 ふと、思いついた。

 父さんと兄ちゃんのケータイにも、電話してみればいいんだ。

 なぜ気付かなかったのか、不思議だ。

 ……おなじように、家のどこかから呼びだし音が聞こえる。

 おかしい。

 ぜんいんが家にケータイを忘れているなんて、へんだ。

 どこからだろう。

 あちこち探してみると、どうやら押入れのなかかららしかった。

 そう、3にんとも、押入れのなかから聞こえた。

 ……ぜったいに、へんだ。

 押入れのとに手をかける。

 がたがた、と立てつけのわるいとが開いていく。

 ……いた、3にんとも、なかにいた。あいを見てた。

 くらい押入れのおくから見てた、ひざを抱えてすわりこんで見てた、じっとこっちの方を見てた、こっちがなにを言っても見てた、3にんともなにも言わずに見

こういう不条理も好きです。

若干続きものになりますが、別に読まなくても良し。

むしろ、読むのは時間が経ってからにしてほしく。

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