前へ目次 次へ 20/28 No.018 火売 『火売』 「マッチはいりませんか」 ひどく寒い大晦日の夜。 辺りはもう真っ暗で、雪が降り積もる街中でのこと。 マッチ売りの少女が歩いていた。 「今ならなんと!二箱で一箱分の値段と来たもんだ!」 こちらには叩き売りの少女。 「このマッチめっちゃ良いらしいっすよ〜」 こちらには受け売りの少女。 「どこ見とんねんわれぇ!」 こちらには喧嘩売りの少女。 「ゲーセン寄っていこ!」 こちらには油売りの少女。 私は最初の少女からマッチを一箱買ってこの街を出た。