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No.017 来世
『来世』
「もう今世に未練はありません」
「そんなことを言わないでください」
「だって、あなたに会えたのだから」
「私もあなたに会えて幸せです」
「きっと前世でも、前世のあなたを愛していたでしょう」
「それなら、来世の私も愛してくれますか」
「もちろんです。必ずあなたのことを見つけますから」
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「お帰りなさーい!」
「あれ、僕はさっきまで病院で…」
「記憶の混濁はよくあることですから、大丈夫ですよ!」
「ここは…この装置は何ですか…?」
「これはですね、前世体験シュミレーターです!」
「前世…?」
「そう、ご自身の前世を擬似体験してもらいました!」
「じゃあ、全部作り物だったということですか」
「そう言われてしまうと心苦しいのですが…」
「すみません。僕から体験を希望したんですよね」
「はい、お気に召しませんでしたか…?」
「いえ貴重な体験ができました。ありがとうございます」
「それならよかったです!」
「あれ、もしかして…」
「どうされましたか?」
「あなたと僕、どこかで会ったことはありませんか?」
「いつですか…?」
「ついさっきというか…ずっとずっと昔というか…
僕が生まれるよりも前の世界で」




