岩石圏
地球では「気圏」「水圏」「岩石圏」そして、「生物圏」【1】が相互作用しています。
私にとって、「岩石圏」と「気圏」、「水圏」、「生物圏」はよく一緒にいる仲間たちでした。
これらの用語は漢字の印象をそのまま受け取って大丈夫です。
気圏……大気
水圏……海洋、河川水、地下水、降水
などをイメージしてください。
同様に「岩石圏」を言い換えるなら、固体地球でしょうか。
ところがですよ。マイナーな言い回しに「岩石圏」、「岩流圏」のペアがあります。
先ほどの「岩石圏」とは、別物!
こっちの岩石圏は「リソスフェア」という外来語の方が親しまれています。岩流圏も、聞くのは専ら「アセノスフェア」ですね。
リソスフィア(岩石圏)
……地球内部の力学的区分【2】において、剛体【3】として振る舞う地殻および上部マントルの最上部。
アセノスフェア(岩流圏)
……地球内部の力学的区分において、リソスフィアの下部に位置する流動性に富んだ柔らかい固体層。
リソスフィアは「プレート【4】を構成している層」と言った方がピンとくる方もいらっしゃるかもしれません。
大陸移動説【5】とかプレートテクトニクス【6】とか、聞き覚えはありませんか?
固体地球を指す「岩石圏」とその仲間たち(気圏、水圏、生物圏)
リソスフィアの漢語である「岩石圏」とその片割れ(岩流圏)
どちらもしっくりきてしまいます。
後から出会った「岩石圏」と初めましてだったとき、もちろんツッコミました。
「これから、文脈判断しないといけないの?!」
と構えたというのに、その後、どちらともそう重要な場面で出会うことはありませんでした。
【1】生物圏に、人間を含めるかどうかも文脈判断です。「生物圏」と「人間圏」を分けることもあります。
【2】地球内部には力学的区分(物性的区分)と化学的区分(物質的区分)があります。地表面から
力学的区分(物性的区分):リソスフィア(岩石圏)→アセノスフェア(岩流圏)→メソスフェア→外核→内核
化学的区分(物質的区分):地殻→上部マントル→下部マントル→外核→内核
になります。
【3】剛体……質量と大きさを持つが、変形しないと仮定した仮想物体。
(ちなみに、大きさも0とみなすときは「質点」です。)
【4】プレート:地球表面を覆う厚さ数十〜200km程度の板状岩盤。
【5】大陸移動説:大陸の配置はずっと現代と同じだったのではなく、移動してきたという説。
【6】プレートテクトニクス:プレートの運動によって大陸移動説を説明する理論。