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子孫核種(擁護回)

 書いている私は少しずつですが、もし一気読みをしてくださっている方がいらっしゃったら


「文句ばっかり言いやがって。」


という感情がそろそろ来るかもと思ったので、擁護回になればと思います。



 「親核種(おやかくしゅ)が放射崩壊すると娘核種(むすめかくしゅ)になります。」


何の話か分からない方には、本当に何のこっちゃかと思うのですが、ここに辿り着くまで説明いたしますと少々長くなりますので、上の文だけ飲み込んでください。ご説明はまたいずれ。


とにかく、新しく生成された方が「娘核種」です。



 これがですね、昨今のジェンダー等への配慮もあってか「子孫核種」という別名が付きました。




 私は「娘核種」というのはどこかの誰かが名付けた「名前」だと思っています。


名前というのは、体を表そうと表すまいと、そういう名前です。



 例え、真田 源次郎【1】の兄であっても、真田 源三郎【2】は「源三郎」なんです。


前提として、源三郎がその名を気に入っていたとすると、


「源三郎の方が、先に産まれたんだったら源太郎に改名しろよ。ややこしいんだよ。」


と本人を目の前にして言った場合、関係性によっては悪口じゃないですか?



 この考え方に基づくと、性別という概念がないものの名前が「娘核種」でも良いんです。


だからこそ、このエッセイは地球科学用語に対する「愚痴」に過ぎず、正当性を持った批評ではないのです。




 一方で、ラフカディオ・ハーン【3】は自ら小泉八雲と名乗りました。


これは小泉の家に婿入りしたという事情もありますが、小泉ラフカディオではなく、八雲になったのです。



 何を言いたくてハーンを例に挙げたかと言いますと、名前を変えることは必ずしも悪でもないのです。


実際、日本人に分かりやすいようにラフカディオ・ハーンは小泉八雲と名乗ったのでしょうし、「娘核種」が「子孫核種」になって、より分かりにくくなったとは思いません。



 この他にも、「優性遺伝子」は「顕性遺伝子」、「劣性遺伝子」は「潜性遺伝子」と別名が付いています。実際は


優性遺伝子……形質が表に出やすい遺伝子

劣性遺伝子……形質が表に出にくい遺伝子


なのですが、漢字の印象から"生き物として"の優劣に見えてしまうと言う方々への配慮です。


かくいう私も右利きの両親から産まれた左利きですので、おそらく劣性遺伝子を受け継いでおりまして、言葉の意味とは別の「印象」の影響も分からないではないです。


 もう1つ例を挙げるなら、地層命名規約というものを噛み砕くと


・国土地理院の地図と地元の人とで地名の読み方が異なる場合は、その地元を優先する


・現在の命名規約に則っていない地層名でも既に浸透・定着している場合は変えなくて良い


みたいなルールがあります。地層命名規約は、このような「ただし」が多く、きっと完成までに紆余曲折あったのでしょう。



 何が言いたかったかと言いますと、これらの名前や専門用語は


「どこかの誰かが、良かれと思って」


決めたものだということです。



 何が採用されるかは、その時の研究者たちの人間関係ですから。(権威や立場上)声の大きかった人が考えた結果であることは知っているんです。



 だから、あらすじに書きました通り、良し悪しを語るでも、変える変えないを訴えるでもなく、このエッセイは「愚痴」であり、その矛先は先人たちでないのです。

【1】

真田 源次郎……真田 安房守(あわのかみ) 昌幸の次男である真田 信繁(=幸村)の幼名。戦国武将。


【2】

真田 源三郎……真田 安房守(あわのかみ) 昌幸の長男である真田 信幸(=信之)の幼名。源次郎の同母兄。戦国武将。


【3】

ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)……日本の怪談噺を書き起こすなどした明治の文豪。父はアイルランド人、母はギリシャ人、妻は日本人。

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