被圧地下水
「ちかすい には ふあつちかすい と ひあつちかすい が あって……。」
会話のとき、漢字変換は聞き手がしなければなりません。
「ひあつちかすい」って「非圧地下水」になりがちじゃないですか?
実際には
不圧地下水……不透水層による上からの圧力を受けていない地下水
被圧地下水……不透水層による上からの圧力を被っている地下水
になります。
不圧地下水のことは自由地下水とも言います。
つまり、
・不圧地下水 = 自由地下水
・被圧地下水
が正しいのですが、油断すると
・不圧地下水 = 非圧地下水
・自由地下水
の方が仲間っぽくないですか??
一応、何の話やってところをしておきますと
地表面の下には「土壌水」がありまして、土壌水の下に「地下水」があります。この、土壌水と地下水をまとめて「地中水」と呼びます。鉛直方向に
ーー地表面ーー
土壌水
不圧地下水
(不透水層)
被圧地下水
となっていて、これらの水は地中水に属しており、不透水層は漢字の通り水を通さない層ですね。
「地層」は聞き馴染みがある方も多いかと思いますが、
不圧地下水がある層→不圧帯水層
被圧地下水がある層→被圧帯水層
というように、地下には「帯水層」や「不透水層」のような層もあるのです。
これだけ馴染みない単語がたくさん出てくる世界で、「非」と「被」の混乱は地味にストレスなときもあります。
すでに馴染みある「被」とえいば
「被」害者ー「加」害者
「被」子植物ー「裸」子植物
うーん。不圧地下水(自由地下水)を
「加圧地下水」にすると、それこそ圧力を加えられていそうだし
「裸地下水」にすると、その上に土壌水はあるわけですから、混乱を招きそうです。
もう、「被」を諦めて「受圧地下水」とかどうですか?
「不圧地下水」と母音が一致してしまうと、それはそれで聞き取りにくいのかな。
「非圧地下水」、「加圧地下水」、「裸圧地下水」、「受圧地下水」は造語です。