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第93話 鰯のつみれ汁

 隊員クラブを出ると、井上さんのジープが止まっていた。

「おつかれさまでした。お食事、どうでしたか?」

「え、井上さん、待っててくれたんですか?」

「いいえ。〆のお茶漬け出したところで、店長から連絡貰うようにお願いしてあったんです。今来たばっかりですよ。」

「それにしても、わざわざすみません。」

「明日、確認するまでは、送迎は必須ですので、お気になさらず。では、官舎へ行きましょうか。」


官舎へ着くと井上さんは、大きく手を振って帰って行った。


玄関で届けておいてもらった買い物荷物を受け取ったら、廊下を進んでいく。

「じゃ、おつかれさまでした。また明日。」

「おつかれさまー。」

「お疲れ様でした。」


部屋に戻ると、風呂桶にお湯を出して、軽く部屋を整理する。

さっき買った飲み物は冷蔵庫に入れて、お菓子類はテーブルの上にまとめて、と。


お湯はまだ溜まってないから、メッセージでも送るかな。

『今日は九州料理を堪能しましたよ。鶏皮串が絶品でしたよ。』と、安西さんに送る。安西さんはプリズンの中の人なんで、オレ達の行先を知っているから場所を特定されても問題無し。で、次は橋田さんへ『きょうからまた出張に来ました。地元料理が美味かったですよ。』と。自衛隊の中なので、出張まではオーケーだけど、場所はNGと。で、最後は芦田さんに『今夜は職場の先輩達と外食だった。焼き鳥と刺身が美味しかったよ。』と。しょうがないとはいえ、情報コントロールがめんどくさくなってきたな。


さて、と、お湯も溜まったみたいなので風呂に入りますか。


風呂上り、まだあんまり冷えてないけど、みかんオレを飲む。


畳の上に置かれたベッドに横になって、スマホでYoTubeでも見ながらゴロゴロしますかね。


「闇夜の世界を切り裂け、気高い鋭利な爪。それはNEKOの爪。ニャー!」スマホがキャラメルさんの名曲「朝焼けの猫魂」を流している。

うん?朝だ、昨日はゴロゴロしたまま眠ってしまったんだな。で、いつもはアラーム無しで起きてるのに、超久々にアラームで起こされたな。やっぱり、移動しただけでも体は疲れてるってことなんだろうな。

よし、と。じゃ、顔洗って支度しますかね。


準備を済ませて食堂へ行くと、柏木さんが居た。

「おはようございます。やっぱり早いですね。」

「おはよー。飲んだ次の日はお腹空くのよねー。」

「それじゃ、毎朝ってことじゃないですか。」

「んー。そうとも言うかもねー。あはは。」


「おはよう、2人とも朝から元気そうだね。」

「飛鳥馬さん、おはようございます。」

「おはようございまーす。」


オレと飛鳥馬さんが席に着くと、スタッフが朝食を持ってきてくれた。

「おはようございます。今朝は塩サバ、さつまあげとほうれん草の煮びたし、鰯のつみれ汁です。デザートはポンカンですね。で、お新香と辛子明太子、高菜はこちらからご自由にお取りください。」


「いただきます。」

鰯のつみれ汁から行ってみるかな。つみれがフワフワで、汁にも鰯出汁がばっちり出てて、温かくて美味いや。


「おー、これは、気持ちがほっこりするね。鰯のつみれなんて、プリズンの食堂では出てこないもんね。」

飛鳥馬さんも鰯のつみれ汁から手を付けてたようだ。


「このつくね、味噌も練り込んであったでしょー。だからちょっと鰯のガツンって感じの味が柔らかくなって、汁とも更にマッチしてるのよー。」

「へぇ、味噌がねぇ。柏木さん、よくわかったね。」

「えへへ。さっきスタッフの人に教えて貰ったんだけどね。」


「サバもばっちり脂乗ってるよね。身も見た感じでもプリっとしてて、見るからに美味そうだね。」

「それは関サバなんだって。これもさっき教えて貰ったー。」


「なるほどね、ブランドサバだね。美味しいはずだ。」


普段はトースト1枚位しか食べないオレなのに、やっぱり出先で食べると、しっかりした朝食をペロリと食べてしまった。オレもプリズン戻ったら、しっかり運動しないと、柏木さんのこと笑ってられないかもしれないな。


3人で食後のお茶を飲みながら雑談していると井上さんが入って来た。

「おはようございます。そろそろ出発しますか?」


「おはようございます。はい、よろしくお願いします。」

「おはようございます。」

「お早う御座います。」


5分だけジープに揺られて電脳棟へ着いた。

「では、私はここで。」

そう言って井上さんは走り去っていった。


警備兵に挨拶して、静脈認証で自動ドアを開けて建物に入る。

階段を上って訓練室へ入った。


照明を点けて、エアコンをつける。プリズンはセキュリティの人が朝、照明とエアコンを点検しながら点けて行ってくれるけど、ここは自分でつけるんだね。


「コーヒー淹れようかと思ったけど、今お茶飲んだばっかりだから、少し後にしようかな。」

飛鳥馬さんが一旦コーヒーマシンの前に行ったが、くるっと振り向いて戻って来た。


オレは午前中はステコンと電YOのトレーニングと決めてたので、まずはステコントレーニングを開始した。

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