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第86話 突如隊員クラブ

 レジに並ぶと、後ろに柏木さんも並んだ。

「へぇ、なんでも明太子味があるんだねー。流石九州。あ、カーロだ、懐かしいなー、そうか、西日本だからまだ売ってるんだね。」

「そうなんですよ、見つけたら、ついつい買っちゃいました。東京でも売ってくれればいいのに。」


「お、なになに。カーロ?懐かしいね。」

飛鳥馬さんもレジに並んだ。


「そうだ、ねぇ、また皆でつまみ食べ比べしませんか?」

「良いねぇ。色んなものが食べられて楽しかったからね。私は賛成だよ。」

「オレもやりたいです。」

「じゃ、決定だね。よーし、カーロ食べられるわー。」


3人でジープに乗り込むと、官舎とは違う方向へ走り出した。

5分も走っただろうか、民家のような建物の前で止まった。

「ここが隊員クラブです。元は戸建て官舎だったものを改装して使っていますので、あまり、お店という雰囲気の入口ではないのですが。」


確かに、引き戸の玄関の上に『隊員クラブ』と書いた看板が付いてるだけで、説明されなければ、これが店だとは思わないかもしれないな。


「なかなか趣がある隊員クラブですね。是非、来てみたいですよ。」

と、飛鳥馬さん。


「個室もあるので、行かれる際には連絡頂ければ予約しておきますよ。」

「そうですか。早速ですが、明日にでも来てみたいですね。」

「わかりました。ちょっと待ってて下さいね。」


井上さんがジープを降りて店に入っていき、直ぐに戻って来た。

「明日、個室を予約しました。あと、店長が、今日も部屋空いてるんでどうですかって言ってるんですが・・。」

「え?今日ですか? オレは嬉しいですけど、今日は皆で夕食後に集まって、つまみの食べ比べしようかって話してたんで・・。」

「わたし行きまーす。」

うん、即答だね。オレも特にすること無いしね。

「オレも行きたいです。」


「あの、店長曰く、食事でもなんでも持ち込んでもらって問題ないって言ってまして。あ、店長だ。」


店から作務衣姿の男性が出てきた。

ジープの窓を開ける。

「初めまして、店長の岡部と言います。国防の生き神様たちがウチの基地に来てくれてるなんて光栄ですたい。いま、井上さんから聞いたんじゃけんど、かなりの左党がいらっしゃると。そげんこつなら、ウチで飲んで食べていかんさいな。あ、食堂で準備しとる食事はウチの若い衆に運ばせますんで。あと、何か飲み物とか、つまみも買ったとかで、それも遠慮せず、持ち込んでウチで食べて貰って構わんですから。オイは生き神様が来てくれるだけで嬉しかことですんで。」

「え、夕食まで運んでもらえるんですか! それなら、今すぐでもお邪魔したいです。」

飛鳥馬さんの声のトーンが明らかに上がった。

「オレはこのまま、官舎に戻らずに直接店に行こうと思うけど、皆はどうする?」

「わたしも今から行きますよー。」

「オレも行きます。」


「あ、そうか。買い物した荷物を持って行かないとだめだったか。」

「お酒もつまみも今ウチに持ってきて飲めばよかたい。」

「いやいや、流石に酒を持ち込むのはちょっと。というか、せっかく店で飲むなら生ビールとかお勧めの酒が飲みたいですし。」

「あー、なるほど、それもありますね。じゃ、ウチの車に積んでおけば、今から皆さんの夕食を受け取りに官舎へ行くんで、その時に入口に預けておくってことでどげんでしょか?」

「なるほど、助かります。そうと決まれば、行きますか!」


「行ってらっしゃい、お疲れ様でした。」

井上さんがクスっと笑っている。


店長、飛鳥馬さんに続いて、柏木さんとオレも店に入った。

確かに元民家らしい、普通の玄関で、とても店とは思えない不思議な空間だ。

ただ、民家と違うのは玄関を上がる時に靴を脱がないことだ。

一応、廊下にはカーペットのようなものが敷いてはあるが、家に土足で上がるのはなんだか抵抗があるんだけどな。


民家とは言っても、かなり大きなお屋敷だったようで、長い廊下が続いている。

突き当りを左に曲がると、中庭のような場所へ出た。小さな池もある。


店長はさっと中庭へ降りると更に先に進んだ。


「どうぞ、こちらの離れを使って下さいな。」


離れというのか、茶室というのか、中庭に小さな建物がある。

店長が引き戸を開けると、中はレンガ敷きの床になっていて、壁はログハウスっぽく丸太が積まれている。部屋の中央に大きな木製のテーブルと一人用のソファのような椅子が並んでいた。茶室風な畳の部屋を想像していたんだが、見事に裏切られてしまったな。


「みなさんの夕食は、今受けとりに行っとりますんで、もうしばらくお待ちください。まずは、お飲み物はどげんしましょ?」


「私は生ビールお願いします。」

「わたしも生お願いします。」

「オレはスプライト下さい。」


「はい、生2、スプライト1ですね。とりあえず、簡単なつまみは、オイがお勧めを盛合わせて持ってきますけん、ちょっと待っとってください。」


店長は小走りに母屋へ戻って行った。

「かなり良い感じの個室だね。」

「離れっていうのが洒落てますよねー。」

「和風の中庭なのに、内装は洋風なんですよね。」

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