表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
85/166

第85話 岸壁

 ジープに乗り込んだ所で柏木さんが切り出した。

「あの、井上さん。ご相談なんですけど、官舎から電脳棟まで、明日から自分達で歩こうかと思ってるんですけど、どうですか?」

「あ、なるほど。ただ、送迎は指示事項に含まれてますので、明日、変更可能か確認してみる、ということで大丈夫ですか?とりあえず、明日の朝はお迎えに行く、ということで。」

「はい、もちろん、そういう指示なら従います。明日、確認お願いできればと思います。」

「はい、確認してみますね。あの、お聞きしづらいのですが、理由を伺っても良いですか? 遠慮無しでおっしゃって頂きたいのですが、車に問題がある、とか、送迎担当者に問題がある、とか・・。」


ここで飛鳥馬さんが話に加わった。

「いやいや、そういうことじゃ無いんですよ。私達、ずっと電脳研のビルの中で暮らしてるんで、せっかく建物の外を歩ける機会があるなら、外に出たいっていうことと、これは不満とかではないんですが、やはり訓練室は訓練のためにスペースなので、一日中籠っているとストレスに繋がりやすいんで、せめて、朝晩は外を歩いて気分転換したいっていう、こちら側の理由です。もちろん警備上の問題があるなら無理を言うつもりもありませんので。」

「そういうことでしたか。はい、明日確認してみます。そうですよね、1日中訓練室に毎日居るのは辛いですよね。ちなみに電脳研での皆さんの勤務場所はどんな感じなんですか?」


「うちの研究室は、トレーニング機材は同じなんだけど、それより、リラックススペースの方が大きい感じで、ジムのマシーンとか、バランスボールとか、ごろ寝用ソファとか、畳とか、あ、わたしの最近のお気に入りは、新型マッサージチェア。もうね、訓練がメインなのか時間過ごすのがメインなのか分からないような、おもちゃ箱みたいなところなんですよ。それに、飛鳥馬さんが、毎日違うコーヒー豆持ってきてくれて、皆でコーヒー淹れて味見したりして。」

「うーん、第三者的に話を聞いてると、私たちは毎日遊んでるように聞こえなくもないよな。あはは。ただ、言い訳すると、ストレスが溜まるとゲームスコアが落ちてしまうので、訓練と同じ位、ストレスレベルには気を使ってるんですよ。特に、電車でYO!とか、パックンマンとかは耐性型のゲームと言うか、ストレスの塊みたいなゲームなんで、ちょっとでも状態が悪いとミスっちゃうんですよね。」

柏木さんの話に飛鳥馬さんが捕捉した。


「あ、電車でYO!、わかります。防戦で電車でYO!だと、もう気分がどんよりします。そうですよね、それがお仕事ですもんね。あ、そうだ、今日は官舎へ戻る前に基地内を軽くご案内しましょうか。あと、どこか寄りたい場所とかありますか?」

「良いですね、基地の中見て見たいです。あと、私は買い物をしておきたいので、どこかお店を教えて貰えますか?」

「はい、わかりました。では売店によりましょうか。ちなみにどんな物をお探しですか?」


「飛鳥馬さんが探してるのはお酒でーす。あと、隊員クラブみないなところがあれば、そこも教えて欲しいでーす。」


「あ、なるほど。では、お酒の種類が多い自衛隊生協の方が良いですね。ん?お二人ともお酒を買いたいというのは、かなり左党な感じですか?」


「えぇと、オレはこの2人を酒豪族って呼んでます。」

「なるほど・・よくわかりました。」


ジープが走り出してしばらくすると、海が見えて来た。護衛艦も見えるぞ。

左に曲がると港で桟橋があった。

「うわー、護衛艦、大きいですねー。」

「美しいフォルムだよね。」

「護衛艦カッコいいですね。」


岸壁の真ん中位にジープを停めて、外にでる。海の匂いと潮風が気持ちいい。


「一番左が護衛艦『たかなみ』、その隣が『すずつき』、隣が練習艦の『はたかぜ』、正面にあるのが掃海艇の『のとじま』、そして最後の一番右の大型艦がヘリコプター護衛艦の『いせ』です。」


「『いせ』の近くまで行っても大丈夫ですか?」

飛鳥馬さんの目が輝いている。


「飛鳥馬さん、ちょっとミリオタ入ってるんですよ。」

柏木さんが小さな声で井上さんに伝える。


「ふふふ。大丈夫です。自衛官はミリオタの人多いんで、慣れてます。」


しばらく飛鳥馬さんは『いせ』を眺め、柏木さんとオレは海を見て過ごした後、またジープに乗り込み、生協へ連れて行ってもらった。


生協へ入ると、飛鳥馬さんのアンテナが反応したようで、初めて入る店なのに、脇目もふらず、どこかへ突進していった。


オレはお菓子コーナーで、やっぱり九州っぽいなにかを探したいよね。

ポテチ明太子味、うん、良いね、買っちゃおう。

お!これは、それにつけてもおやつはカーロ、じゃないか!そうか、関東では終売したけど、関西では売ってるんだったね。もちろん、カゴに入れる。

えー、プリッツンにも明太子味があるんだ。これも買っちゃおう。

せんべいの九州醤油味?ふーん、面白そうじゃないか、これも買っちゃおう。


飲みものもご当地ものが良いよね。

デコポンソーダ、みかんオレを買ってみるかな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ