表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
81/166

第81話 出発

 飛鳥馬さん、柏木さん、オレの3人は屋上の鉄扉を出た。

ヘリポートには海自のヘリが待機していて、ヘリの扉の前に立っていた隊員がこちらへ向かってくる。


「独立小隊の皆さんですね。自分は安藤一佐です。皆さんを横田基地までお送りします。横田で固定翼機に乗り換えて頂いて、九州まで参ります。」


「了解いたしました。よろしくお願いします。」

飛鳥馬さん、柏木さん、オレが横並びで敬礼する。


もう一人の隊員がヘリからヘルメットを取り出して渡してくれる。

ヘルメットを被ってヘリに乗り込む。

「真ん中座って良い?」

飛鳥馬さんが、甘えたような感じで言うのでちょっと笑ってしまった。


「では、離陸します。」

機長がヘルメットの中のインターカム越しでアナウンスをする。


エンジン音が大きくなり、ふわっと浮き上がった。

飛鳥馬さんはかぶりつきでパイロット席を見ている。ミリオタ飛鳥馬さん、すっごい楽しそうな表情をしてるな。


柏木さんは前回同様、東京を見下ろして、ブツブツと場所やビルの名前を言って、一人観光案内のようなことをしているようだ。


「高度を下げて着陸態勢に入ります。」

機長のアナウンスと同時にヘリが高度を下げ始めた。

「着陸します。」


トトンという軽い衝撃と共にヘリが着陸した。


ヘリを降りてヘルメットを返すと、少し先にある双発のプロペラ機へ向かって案内された。


飛行機のタラップの前には隊員が2人立っている。


「おまちしておりました。機長の山形1佐、こちらは副機長の秋吉2左です。九州までご案内させて頂きます。」


「独立小隊、飛鳥馬3尉、柏木3尉、下田3尉です。よろしくお願いします。」


乗機して着席すると直ぐに機が動き始めた。

滑走路の終端んでUターンしたところで、機長からのアナウンスが流れた。

「間もなく離陸します。」


ブィーンという音が大きくなり、大きなGがかかる。

何回飛行機に乗っても、この離陸の瞬間が一番ドキドキするんだよね。


飛行機が水平飛行になると、副機長が缶コーヒーとピーナツのお菓子を持ってきてくれた。


「機内食ってわけじゃないですけど、一応機内サービスです。」

と笑っている。


約2時間、飛行を続け、機は徐々に高度を下げているようだ。

「まもなく着陸します。」


機は滑るように静かな着陸をした。

タラップを降りるとまたしてもジープと女性自衛官が待っていた。

基地内の移動はジープ、案内は女性自衛官と言うのが定番なのだろうか。


「おまちしておりました。総務の井上2曹です。」

「独立小隊の飛鳥馬、柏木、下田です。これから一週間よろしくお願いします。」

飛鳥馬さん、柏木さん、オレの順番で井上さんと握手してジープに乗り込んだ。


「まずは、群司令がお待ちですので、軍司令部までお願いします。」


ジープは重厚な建物の前で止まった。

「こちらが軍司令部です。旧日本海軍当時の建物ですので、県の歴史建築物にも指定されてる建物なんです。」


なるほど、外もだけど内部も重厚な造りだ。正面に大きな階段、そしてそれが左右に分かれて2階へ向かっている。


2階の一番奥、大きな重厚な扉の部屋が群司令の部屋だった。


井上さんがドアをノックする。

「失礼します。独立小隊の皆さんがいらっしゃいました。」


「どうぞ、お入りください。」


部屋に入ると群司令が出迎えてくれた。

「遠路はるばるご苦労様でした。群司令の滝川です。」


「初めまして、独立小隊、飛鳥馬3尉です。」

「独立小隊、柏木3尉です。」

「独立小隊、下田3尉です。」


「皆さんもご承知の通り、C国がこちらの動向に関する情報収集を強化している節があるということで、今回からはトレーニング派遣ではなく、基地待機として来ていただいた。せっかく皆さんが来てくれたので、基地をあげて歓迎イベントを予定していたのだけれでも、そういう事情で動きがキャッチされやすい大きなイベントは控えるよう指示があったんだ。したがって、残念なんだが、歓迎パーティーも出来なくて本当に申し訳ない。基地の皆も楽しみにしていたのに残念でならないよ。」


「いえ、お気遣いいただきありがとうございます。我々は行動制限には慣れてますので、久々に研究所を出て、このような素敵な環境で過ごせるだけでも楽しみです。」

飛鳥馬さんが答える。


「歓迎パーティーの代わりと言う訳ではないんだけど、食事は九州名物を準備してもらってるので、関サバ、関アジ、イカなんかの海鮮と、九州名物の辛子明太子、辛子レンコン、モツとか、うん、色々とね、用意してもらってるから、せめて食だけでも楽しんでもらえたらと思ってるんですよ。」


「うわ、それは楽しみ!わたし、辛子明太子、大好きなんです。」

柏木さんが素晴らしい笑顔を答えた。


「そう、良かった。辛子明太子はソースにしてサラダに使ったりもするんですよ。実は私も辛子明太子が大好きなんですよね。いやぁ、楽しんでもらえると嬉しいな。」

群司令も笑顔だ。


食べ物の話ってみんなを幸せにするんだよね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ