第71話 ミーティング?
「じゃ、練習始めましょうか。」
岸本さんの一声で皆練習を再開した。なるほど、やはり実質部長は岸本さんってことなんだな。陰の部長、裏部長? 秘密結社みたいでカッコいいかも。
「予備のラケットがありますから、皆さんもやりましょう。今お話しした通り、大会出場狙ってる訳じゃないので、バドミントンというより、羽根つきをしてるメンバーも居ますけど、羽根つきも結構全身使うんで良い運動になるんですよ。もちろん、本格的にやってる人も居ますけどね。ほら、あそこの2人は学生時代に東京都大会に出てるんです。でも今は趣味でやってるだけから、無理な練習はしたくないって、インバドに居るんです。」
「気軽に参加できる感じで、良いじゃないですか。ほら、飛鳥馬さんも下田くんも、やってみましょうよ。」
柏木さんに後押しされてラケットを握った。
まずは、オレと飛鳥馬さんで打ちあいをする。
パシッ。
バドミントンのラケットは軽いし、シャトルを打った時の音も気持ちいいな。
お互い、上手ではないので、シャトルがいろんなところへ飛んでいくんで、軽く打ち返してるだけなのに、走り回る必要があるんで、確かに結構な運動量になるかも。
あと、ラケットを高く振ると肩が動くんで、肩こり予防に良いかもしれないな。
パシッ。パシッ。
案外楽しいかも。
でも、しばらく続けてたら結構息があがってしまった。
「飛鳥馬さん、ちょっと休憩良いですか?」
「うん、私も結構脚に来てるんだよね。」
2人で体育室の床に座りこんだ。床がひんやりしてて気持ちが良いや。
柏木さんはどうしてるんだろう? あ、ダブルス組んでゲームしてる。
もう既にサークルに馴染んでるところは、やっぱりAチームのコミュニケーション担当だな。
しばらく床に座って皆の練習風景を眺めていたら柏木さんがやってきた。
「ほら、もう座り込んでる。体動かさないとだめでしょ。」
飛鳥馬さんが、のっそりと立ち上がった。
「やっぱり怒られちゃったよ・・」
「再開しますか。」
オレも立ち上がって、打ち合いを再開した。
「はーい、お疲れ様でしたー!」
岸本さんの大きな声が響いた。体育室に来てから、約1時間半が経過していた。
結局、トータルで1時間位は打ち合いをしただろうか。そして、同じくトータルで30分位は、座り込んていたんだろうな。
メンバーは更衣室へ向かって行くなか、岸本さんだけがオレ達の方に向かってきた。
「汗流して着替えたら、食堂でミーティングがあるんですけど、皆さんもどうですか?」
「ミーティング? ですか?」
何を話し合うのか気になったので聞いてみた。
「あ、ミーティングって言う名の飲み会ですけどね。 実はこれが楽しみで集まってるメンバーの方が多いんですよ。」
なるほど、そういうことか。ん?今、悪魔のワードが含まれていたような・・
「行きます!」
「ハイっ!」
あ、やっぱり。酒豪族、即答だよ。
「私達、部屋が上にあるんで、準備して食堂に行きますね。」
「じゃ、岸本さん、またあとでー。」
2人は脱兎のごとく体育室の扉に向かう。行動が予想通りすぎるんだよな。
オレも特に予定もないし、夕食の準備もしてないから、参加しちゃおうかな。酒豪族の東京での活動もウォッチしておきたいしな。
「オレも行きます。着替えてきますね。」
結局オレも2人の後を追いかけて走ってドアへ向かってしまった。
部屋へ戻って、まずはシャワー、とは言っても、汗を流すだけだけど、運動後のシャワーって気持ちが良いんだな。
柏木さんに笑われるかもしれないけど、いつものTシャツに着替えて部屋を出た。
ちょうどエレベーターホールに飛鳥馬さんも柏木さんも居た。
「うわ、タイミングぴったりだねー。あー、飛鳥馬さんも下田くんもやっぱり同じTシャツ着てる!ホントに男子は年中同じ格好してるんだな、もー。」
「やっぱり怒られちゃったよ。」
「オレも言われるんじゃないかなって思ってました。」
飛鳥馬さんと2人でクスクス笑った。
3人が食堂に入ると、奥の方に机を並べてメンバーたちが座っていた。
「こっちでーす!」
岸本さんが立ち上がって手を振っている。
テーブルの上には既に色んな料理が並んでいて、席の真ん中、島津部長と岸本さんの間が3席開けてあった。
「ここ、ここ、ここ座って下さい。」
オレ達が座ると直ぐにスタッフが飲み物の注文に来た。
島津部長が仕切り始めた。
「はい、生ビールの人?」
「はーい。」「ハイ。」「ハイっ。」
「えーと、生ビール7杯と。生ビール以外の人は?」
「ウーロン茶ください!」
「あ、オレはスプライトお願いします。」
スタッフがそのまま注文を繰り返した。
「生7、ウーロン茶1、スプライト1ですね。少々お待ちください。」
「ここの食堂、こんなメニューあったかしら?」
「あ、これはオードブル、予算言って予約しとくと作ってくれるんですよ。うちは毎週水曜日に予約してるんです。」
「あ、そういうことが出来るんだー。知らなかった。便利そうね。」
柏木さんと岸本さんが話している。




