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第70話 ピラフとインバド

 「そう言えば、炒飯とピラフって何が違うんですかね?中華風と洋風の違いですか?両方炒め飯ですよね?」

オレがレンゲで半炒飯を崩しながら聞いてみた。

「えー?炒飯とピラフは違うでしょー。っていうか、ピラフは炒め飯じゃないし。」

「うん。ピラフはどっちかっていうと炊き込みご飯だね。」

「え?そうなんですか?どう違うんですか?」

「うーんとね。炒飯は炒め飯、これは何となく作り方分かるよね?」

「はい、卵とご飯炒めますよね。」

「そうそう。でね、ピラフはね、お米の段階で具材と炒めて、それをスープで炊くのよ。だから飛鳥馬さんがいう通り、ある意味炊き込みご飯ね。」

「えー、そうだったんですかー。オレ今まで、なんで炒飯を洋風にするんだろうって思ってましたよ、邪道じゃないかって。うわ、全然違う料理だったんですね。明日、ピラフセット食べます!」


「そうですか。それはピラフの神様もお喜びになることでしょう。」

「なんですか、飛鳥馬さん、その適当な相槌は。 あはは。」


濃くもなく、薄くもなく、このチームの雰囲気って、居心地が良いな。


 午後も研究室でいつも通りのトレーニングルーチンで終わった。

「今日は静かな一日だったね。無事な事は良いことだよ、お疲れ様でした。」

「お疲れ様ー。」

「お疲れ様でした。」


エレベーターホールで『上』のボタンを押す。

今日は誰も下に行かないんで、真っすぐ部屋に戻るんだな。

まぁ、オレもカップ麺続きだったんで、簡単に何か作って食べる予定だから下には行かないんで同じなんだけどね。特に用事も無いしね。

ん?用事? 何か忘れてるような・・。

「あぁっ!」

「うわ、突然どうしたの下田くん?」


柏木さんを驚かせてしまったみたいだ、なんか、すみません・・。


「オレ、診療室の岸本さんに、今日の夜のバドミントンサークルに行くって約束してたんでした!忘れてましたぁ!」

「へぇ、岸本さんってバドミントンサークル入ってるんだ。」

「柏木さん、岸本とさんと知り合いですか?」

「知り合いってほどじゃないけど、研究所の女子チームだから面識はあるよ。」

「オレ、とりあえず、体育室に行ってきます。手ぶらでも大丈夫ですよね?」

「バドミントン?面白そうだね、私も見に行って良いかな?」

「飛鳥馬さんも行くなら、わたしも見に行ってみようかな。」

「じゃぁ、皆で行ってみましょうよ。」


急遽3人で体育室へ向かう。


「こんばんは。岸本さんいらっしゃいますか?」

「はい! あ、下田さん、あら、柏木さんも。え?飛鳥馬さんも?」


「岸本さん、こんばんはー、わたしたちも一緒に見学させてもらって良い?」

「もちろんです! ねー、みんなー、独立小隊の皆さんよー!」

岸本さんが練習中のメンバーに大きな声をかけた。


「こんばんはー。」「いらっしゃい。」「うわー本物だー。」

メンバーたちが集まって来た。


「みんな知ってるでしょ、でも、会うのは初めての人も居るのかな。こちら、独立小隊の飛鳥馬さん、柏木さん、そして下田さんです。 こちらが我がバドミントンサークル、正式名称はインハウスバドミントン部、部長の島津です。」


え?インハウスバドミントン?なんだそれ?

「インハウスバドミントン、ですか? 室内でやるから、ってことですか? バドミントンってシャトルコックを使うから、風がある外では出来ないと思ってました。」


「あぁ、電脳研にはバドミントン部が2つあるんです。ひとつはバドミントン部。あちらは去年、東京都大会で準優勝してるんですよ。 それに対して私達は、インハウス、つまり電脳研内に閉じたバドミントン部なんです。えぇと、つまり・・・。」


島津部長が少し言いよどんだところを岸本さんがフォローする。

「要するに、大会に出場したり、競ったりはしない、健康維持のための運動プログラムの一環としてのバドミントンをする集まりです。だから、自主練もランキングもないので、皆さんにも気軽に参加して欲しいと思ってます。そうですね、イメージ出来には朝のラジオ体操的な感じですね。」


「捕捉、と言いますか、ネタばらしと言いますか、実は、ここに居る全員が健康診断とかで岸本さんから運動不足を指摘されて・・・」

ここで島津部長の声が小さくなった。

「強制的に連れてこられたんです、言わば拉致されたようなもんです。」


「はぁ? 何が拉致ですか! 皆さんは毎年運動不足指摘されてるに何もしなくて、特に島津さん! 血圧、中性脂肪、尿酸値、異常数値のデパートみたいになってるんですよ。」

岸本さんがキッと島津さんを振り返った。


「という訳で、一番数値が悪いボクがインバドの部長なんです。ははは。」

島津さんが首をすくめて笑った。


「流石部長!」「いいぞ代表!」「部長には勝てないぞ!」

メンバー達も笑ってる。


「もう。こんな感じの緩いサークルなんです。是非ご一緒しませんか?」

岸本さんも笑ってる。


「なるほど、そういうことなら、ウチのチームで運動しないトップ2である、下田くんと飛鳥馬さんは入部確定ですね。」


なんてこと言うんですか柏木さん・・。


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