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第7話 さよならランエボ

 よし、行くぞ。ステアリングを極微妙に左右に振る。ランエボはバランスを崩して右フロントからガードレール突っ込んだ。


ガゴンッ! ランエボの右フロントバンパーがガードレールにヒット!


ランエボはコーナー反対側の壁ぎりぎりまで弾き飛ばされた。


ボイスチャット:やっちまったぁぁ・・・

ボイスチャット:全然ダメダメじゃんか!


オレのランエボは弾き飛ばされた勢いのままコーナーを抜けた。


ガードレールにヒットして弾き飛ばされたまま走り続けるランエボは、そのまま何も無かったかのように、走り続ける。


ボイスチャット:え? えぇ?

ボイスチャット:はぁぁ? なんだこりゃ!


ふふん、これこそがゲームでしか出来ない奥義、ピンボール走法なのさ。


実車でこんなことしたら、車一発で壊れるし、修理代かかるし、首都高から修理代請求されちゃうし、だいたい、しくじったらドライバー自身の命が危ないから絶対やらないだろう。


ランエボは次のコーナーもガードレールにヒットして走り抜けた。


荷重移動だけでノーブレーキのまま、かつ、その勢いでガードレールにヒットしてコーナーを抜ける漫画のような走法だが、確かにランエボはコーナー毎にガンガンぶつけながらノーブレーキ、アクセル全開のまま走り続けている。


もう既にカーレースゲームでも無くて、単なるピンボール状態だ。


ついにランエボがディアブロを射程距離に捉えた。


直線でディアブロが突き放すが、コーナーでブレーキを踏むたびにランエボに追いつかれる。


最終コーナー手前、ついにランエボがディアブロに並んだ。


ボイスチャット:うぉぉぉ、並んだ!

ボイスチャット:来た、コレ!


コーナー手前、ディアブロがブレーキをかける。

さぁ、これでラスト、ぶっ飛べぇぇぇ!!

ランエボは何時もの通りノーブレーキで、コーナーに突っ込んで、いままで以上に派手にガードレールにヒットした。


ガゴンッ! ガゴンッ! ガゴンッ!


ガードレールに弾き飛ばされたランエボが反対側の壁にもヒット、スピンしながらまた弾き飛ばされて反対側のガードレールにヒット。そのままスピンしながらガードレールと壁にぶつかりながら、前に向かって勢いで飛ばされてる。フロントバンパーが外れて飛んだ。ライトやテールランプのカバーが割れて飛び散る。リアバンパーも外れて飛ぶ。


これは走っているんじゃなくて、ただ単に前方に向かってスピンしてるだけで、言い方を変えると、事故ってる最中ってことなんだけどね。


ディアブロは、ランエボを追い抜くポイントを探しているようだが、不規則にスピンしながら、パーツをまき散らしているランエボのラインが読めず、追い抜くことが出来ない。


そのままゴール!


ボイスチャット:ランエボ来たー!

ボイスチャット:いや、これ、無茶苦茶だよ。。


ふう、やったぞ!

案外思い通りに勝てたな。これって相手が実車のプロドライバーだからこそ通用する技だよな。


オレのランエボは前後バンパーがなくなって、フレームが曲がり、両サイドのドアもベコベコに凹んで、フロントタイヤはグラグラしている。これ、実車だったら確実に廃車だし、人間が乗ってたら、死んでるか、良くても重症だろう。だって、首都高上で、最高速度のまま事故ってスピンしながら吹っ飛んだんだから。


男B:これは反則でしょ!ライジング不動産の負けだ!


オレ:あれ?これは公式戦じゃないからルール無いんですよね?


男B:くそっ、覚えとけよ!


対戦相手チームの3人がルームから抜けた。


チリ:モキ!!! 凄い、凄すぎるわ!


オレ:いやぁ、なんとか勝ったね。ランエボは廃車だけど あはは。

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