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第45話 ザンギ

 金曜の朝。明日には帰京するので、北海道での今日が最後の平日の朝だ。

朝食食べに食堂へ行くと、またしても柏木さんが朝食中だった。

「おはようございます。今朝も早いですね。」

「おはよー。昨日ちゃんと食べなかったから、お腹すいちゃったんだよねー。」

「え?食べなかったって、昨日は生協でなんか買ってましたよね。カップ春雨スープでしたっけ?それに夕食も結構ガッツリ食べたじゃないですか。」

「あぁ、ジムでしっかり身体動かして、その後にビールでHP回復させてたら、食欲も回復したのよ。」


もう既に意味もわからないが、柏木さんがよく飲みよく食べる人だってことは理解できた。


飛鳥馬さんが入って来た。

「おはよう。」


「おはようございます。」

「おはようございまーす。」


「おはようございます。今日は中華風ですよ。ホタテ中華粥、包子、水餃子、青梗菜とトマトのスープ、ドリンクは豆乳です。」


「おぉ、これもまた食欲をそそる香りだね。中華粥は、このラー油とみじんぎりのザーサイが良いよね。ほんとにここの食事はどれも美味しいですよね。」

飛鳥馬さんがいつものスタッフに声をかけた。


「ありがとうございます。みなさんにそんな風に言っていただけるとは。シェフにも伝えておきますね。ごゆっくりどうぞ。」


まずはホタテ中華粥でしょ。ふーふーしてパクっと一口。うっわ、濃厚なホタテ出汁が広がっていく。温かくて、ほっこりして、朝から幸せだよ。次は包子、何が入ってるんだろう?半分に割ってみる。これは、肉だね。まぁ、肉まんってことだよね。あ、ホッカホカで美味しい。


満足、満腹の朝食を終えて、3人でお茶を飲んでいるところへ橋田さんが入って来て、昨日と同様、柏木さんの隣に座った。


「おはようございます。今日も予定の確認をしたいと思います。午前中は研修棟の電脳訓練室で7班の訓練になります。昼食もいつもどおり、司令部庁舎の食堂に用意しておきます。そして午後は、先日お伝えした通り、基地見学と乗馬体験の予定ですので、私が1時頃に司令部庁舎の入口にお迎えに行きますね。」


「電脳訓練室で午前中7班、昼食は司令部食堂、その後1300司令部庁舎入口集合、了解です。」

と、飛鳥馬さん。


「馬乗れるんだー。たっのしみー。」

「私が可愛がってる馬紹介しますね。」

この二人、ホントに馬が合うよね。馬の話だけに・・。失礼。


研修棟に着いて、電脳訓練室へ入ると今朝も山崎センター長がボタン連打測定器で連打のトレーニングをしていた。


「おはようございます。山崎センター長。」

「やぁ、おはよう。遂に今日が訓練最終日だね。隊員達もデモや実戦が見られて、訓練の重要さを再認識してくれたと思うよ。ありがとうね。さ、最後半日、ガッツリ行きましょうか。」

「はい、よろしくお願いします。」

飛鳥馬さんと山崎センター長が挨拶と握手をしている。


最後の訓練も予定通りに終わり、司令部庁舎の食堂へ入っていつもの観葉植物の陰の席へ座った。


いつものエプロン姿のスタッフが配膳カートを押してやって来る。

「お疲れ様でした。今日のランチは北海道と言えばザンギ、そしてカニクリームコロッケ、とろろ、オクラ塩昆布とデザートはリンゴです。あと、皆さんにはメロンゼリーが付いてます。ごゆっくりどうぞ。」


「あぁ、これがザンギ。聞いたことはあったけど、食べたこと無いから唐揚との違いが分からなかったんだよね。北海道出身の人に聞くと、下味の有無が違うんだよ、とは言うんだけど、唐揚も店によっては鶏肉漬け込んでる店もあるしね。それでも道民は、これは唐揚でザンギじゃないって言うし。本物食べられんで嬉しいね。」

「そうなんですよ。わたしも唐揚の味が濃いのがザンギって思ってたけど、北海道出身の友達は全然違うって言うし。」


ザンギ?初めて聞いたな。良く解らないけど、食べてみればわかるだろう。そう誰かも、迷わず喰えよ、喰えばわかるさ、って言ってたよな。あれ、違うかな?


熱々のザンギにかぶりつく。ガブっと。ジューシーな鶏肉とタレ?の旨味がまとめて口の中いっぱいに広がって来る。これは速攻でご飯で応戦しないと負けてしまう。ザンギ、ご飯、ザンギ、ご飯だ。いやいや、ザンギだけ食べちゃいかん。ちゃんと小学校で叩きこまれた三角食べをしないとね。ということでカニクリームコロッケ行きます。ザンギのガツンとは真逆のやさしい、カニクリーム。もう口の中ツンデレみたいになっちゃうよ。たまらなく美味しいぞ。


結局今日も3人とも昼食を綺麗にペロリと食べてしまった。

「ザンギ、おいしかったですねー。ただ、唐揚との違いは分からなかったですけど・・」

「うん、私にも分からなかった・・」


オレにも分からなかった。

「橋田さんは北海道出身でしたよね?後で聞いてみたらどうですか?」


「いや、北海道の人にザンギの話すると圧がすごくなるんで、やめよう。一応、ザンギは唐揚より美味しいものだったってことで。」

「ですねー。郷土愛なのか、すっごいこだわるんですよね。でも、違いがわからないんで延々平行線になっちゃうんですよね。」


ザンギ、北海道の人のなにか重要なポイントなんだな、きっと。


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