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第11話 ゲームはゲームでも罰ゲーム

 翌日、オレは朝から測定室に籠ってまずは連打の訓練を始めた。まずは計測、うぉぉぉぉぉ!指がツリそうな位動かしても1秒に11連打を超えない。1時間も経過すると、指がツリそうではなくて、動かなくなってきた。研究室に入ってホットコーヒーを取って、右手をハンドマッサージャーに突っ込んでマッサージ開始。おぉぉぉぉ、マッサージ気持ち良い。


休憩ついでにみんなの訓練を眺めてみると、同じ場面を繰り返しプレイしている人、ひたすらキャラをジャンプさせてる人、車のステアリングを微妙に動かし続けてる人など、確かにゲームを楽しんでるのではなくて、訓練してるって感じだ。これは、ゲームというか罰ゲームだな・・と思いながらコーヒーを飲みほした。


結局、午前中いっぱい連打の訓練をしたが、秒間11回は超えられなかった。これは想像よりもキツイ訓練になるな・・。


 昼休み、みんなと食堂へ行った。人と一緒に食事するなんて久しぶりなので、超緊張したのだが、みんなそれぞれスマホ見たりしながら黙々と食べていた。これってみんなで一緒に来る意味あるんだろうか、とも思ったが、オレにとってはちょうど良い距離感なのかもしれないとも思った。


午後、連打の訓練で指が動かなくなってしまったので、ステアリングコントローラーの微妙なコントロールの訓練に切り替えた。前後左右の角を順番に壁にヒットさせる、を延々と繰り返す。これもまさに罰ゲームだ。オレも研究員達の辛さを一日経たずに理解した、これがゲームが仕事ってことなのか。


指と腕が肩がガチガチになって一日の訓練が終わった。部屋に戻ってスマホを見るとメールが来ている。お、芦田さんだ。


「下田君、元気ー? 今は政府機関に居るって山村先生から聞いたよ。あと、例の対戦の件も含めて、これは秘密だって言われたよー。クラスで私と下田君だけの秘密ってことだね? 休みの日にでも一緒に出掛けない?お礼もしたいし。メッセージ頂戴ねー。じゃ。」


オ、オレ、ガチでリアル女子からメール来るようになったんだよ、母さん。そして、学校のアイドル、芦田さんと二人だけの秘密があるんだよ。ヒ・ミ・ツの関係ですよ。グヘヘヘ。くぁwせdrftgyふじこlp あ、まず落ち着けオレ。ちょっと鳥肌が立ってしまった。仕事キツイけど、良い世界じゃないか、ビバ世界、ビバ人生!


 翌日も、午前中は引き続き連打の訓練をしたが、ちっとも11連打の壁を越えられない。指も壊れそうだが、精神も崩壊しそうに辛い。。とりあえず、コーヒーでも、と研究室に入った所で室内のパトライトが点滅を始めた。


「ブァー、ブァー、ブァー。至急、至急、ネット侵犯発生、第二防衛線が突破された。研究所チームへ防戦要請発令。繰り返す、ネット侵犯発生、第二防衛線が突破された。研究所チームへ防戦要請発令。」


「おいでなすったね。さぁて、みなさん、行きますか!」


飛鳥馬さんと一緒に全員でエレベーターに乗り、作戦室へ入った。


既に中央席には水野作戦司令が座っている。


「諸君、またC国だ。今回は驚きの電車でYO!だ。まさかトレインシミュレーターで仕掛けてくるとは。。頼むぞ、諸君!」


電車でYO!じゃ、連打も微妙なステアリングコントロールも要らないじゃないか、なんでこんなゲーム選んだだろ?そもそも、C国で日本の路線って親近感あるんだろうか? 色々と疑問符が並んだが、そんなことはどうでもいい、ゲームは仕事!どうせやるっきゃないんだから。


得点をあげるポイントは、出発時のタイムラグを無くすことと、多少余裕をもって駅構内へ進入しておいて、ブレーキでダイヤピッタリに調整することだろうか?実はトレインシミュレーターはあまりやり込んで居ないので、オレの得意範疇ではないので、不安なのだが。。


「諸君!得点、押されてるぞ!持ちこたえてくれ!」


水野作戦司令の檄が飛ぶ。


電車でYO!での勝負は他のゲームと違って、大技も繰り出せず、ただひたすらミスをしない、という耐える系なので、精神的な負担が大きいぞ。敵ながら、絶妙なゲームを選択したなと感心してしまう。でも、とにかくストレスが凄い。。


結局、3時間プレイが続いたところで敵が撤収した。


皆で食べ損なったランチを食べに食堂へ行く。

ちなみにオレのランチメニューはハムチーズクロワッサンとかぼちゃの冷製スープ。


なんともリア充御用達みたいなこじゃれたメニューだけど、別に狙ったわけじゃなくて、軽食メニューの時間帯だったんで、パン類しか無かったってだけなんだけどね。


遅めのランチが終わった後は研究室で参戦ミーティングが始まった。

ミーティングテーブルの大型モニターに得点棒グラフが映し出された。


「はい、今回の得点です。電YOは得点差が付きにくいよね。そのくせ、神経使わされるから、めちゃめちゃ疲れるし、これは嫌な攻撃だよね。」


「あの、質問良いですか? オレ以外のみなさんは大体同じ得点なんですけど、電YOで高得点出す訓練ってどうしてるんですか?」


「あー、良い質問だね。でもね、答えはすっごくつまらないんだよ。それはね、全路線の操作タイミングを丸暗記してるだけなんだ。」


「え?全路線の操作タイミングですか? それは・・まさに罰ゲーム・・」


「あははは、ゲームはゲームだけど罰ゲーム、良いねそれ。」


飛鳥馬さん達が笑ってる。


ミーティングの後、1時間ほど連打の訓練をして今日の勤務を終えた。

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