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おっさんの徒然エッセイ

犯罪心理と創作vo.2



 前回は各犯罪ごとのシチュエーションを考えて創作に活用する方法を提示しましたが、今回は、そもそも犯罪を犯す人とそうでない人の違いから、その線を越えてしまう瞬間をテーマにしていきます。


 私たち法治国家に籍をおく人間は法というサークルの内側にいます。そして、この枠組みを乱し、時に飛び越えて出ていってしまうものが犯罪者ですね。

 多くの方はこのサークルの中にいて、飛び出してしまうとは考えていません。何故でしょうか。それは小さな頃からルールを守ることを教育されていること、ルールの外から攻撃してくるものに、法というサークルで対抗するため、飛び出してアウトローとなることで受ける不利益を知っているためですね。

 

 反対に犯罪者となるかたには、突発的な事故を除いて考えると

1 衝動の抑制が困難である

2 自己の行動に自信をもっている

3 他者への共感性が低い

4 コミュニティへの帰属意識が低い

こう言ったところがあげられるでしょうか。

 勿論、これ以外にも様々な要因が考えられますが、例えるなら、あなたの前に100万円が置かれており、「盗るな」という看板とあからさまな罠があるとします。

 故意に犯罪者になることのないタイプの方は目の前のお金を欲しいとかは考えても、盗ろうとすれば罠が発動して捕まることのリスクを避けて近づきません。

 しかし、衝動抑制がきかない、コミュニティへの帰属意識が低い人なら、周りにあいつ盗った思われても別にどうでもいいし、あの罠がちゃんと発動するのかわかんないから、盗っちゃっていいよね。と考えてしまいます。

 厄介なのが知能犯罪者で、周囲のギャラリーに実はこれを設置したのは自分や関係者だと誤認させる方法や、罠の解除方法、お金を盗ったあと、足取りを消す方法などを模索し、自分なら完璧にこなせると自信を持って実行することですね。

 ここまで来ると後ろ暗い気持ちなどなく、自分のパフォーマンスを最大級発揮してミッションをクリアする感覚ですから、堂々としています。

 こうなるとギャラリーも嘘を言ってると思いません。だって嘘を言ってませんから、本心から成りきってしまえるタイプは自分すら偽れますからね。

 これ、自己啓発的な話しになりますが、自分の中に思い込みの激しい人格を意識的につくって、自分はこういう人間だって、徹底的に繰り返し言い聞かせると、自己を洗脳することは比較的容易だったりしますしね。落ち込んだ時にたまにやります(笑)

 話しがそれましたが、犯罪者になる機会は実は多いんですね。

 昔、実際にあった事件で男性が10万円を銀行で全て千円札に両替してもらい、自宅で封筒の中をみたら、全て一万円札で100万円入っていたため、浮かれて使ってしまい、横領で訴えられたという話があります。

 10万円を全て千円札に両替することが、まず無いとは思いますが、皆様がこの男性の立場として、正直に銀行に連絡したでしょうか。

 大半の方はしますね、何故でしょうか、怖いからですね。銀行のミスなのは間違いないけれど、使ったらばれるのは間違いないのだから、早く返そうと思うはずです。

 ですが、出来心で、または銀行のミスなんだから、俺が使っても問題ないと考える人もいる、思慮の浅さ、捕まるわけないという根拠のない自信、他者に迷惑をかけることへの配慮のなさがそうさせるわけですね。

 ここまで極端でなくても、レジで桁をうち間違えて多額のお釣りを間違えて出されることもあるでしょう、レジの方に「間違いですよ」と言えるかは結構なポイントですね。

 間違いに気付かず帰ってしまい、そのまま気付かなかったとしても、場合によっては罪に問われます。

 お釣りを受けとって、相手の間違いに気付いていながら指摘せず着服すれば、悪意ある行為で相手に損害を与えたことになりますから、罪にとわれますし、気付かなかったとしても、そもそも、しっかりと間違いがないか確認せず相手に損害を与えた注意義務違反だとなりますね。

 電車のホームから人が落ちた。

 事故になるかもと近くにいるのに救護せず、スマホで動画をとっていたら、善意ある第3者として、保護責任を遺棄したことになりますし、自分が、例えば狼狽えている転落者に近くの待避場所に入れと指示するだけでも事故を回避出来るのに、緊急停止ボタンを押してと叫ぶだけで事故が回避出来るのに、しなかったとなれば、最悪、死亡するかもしれないことを理解した上で無視した未必の故意が成立しますね。

 刑事訴追はされないとは思いますが、遺族から民事で訴えられる可能性もありますね。


 私たちはサークルの内側にいますが、いつ足を一歩、外に踏み出すかはわかりません。サークルの外と中は別世界ではなく、地続きですから、こういったことも踏まえた葛藤なども創作には大切かもしれませんね。

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